スピンオフ編~東京都新宿区左門町・怪談のお岩さんのイメージが払拭される『於岩稲荷田宮神社』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。

 

今日は

東京都新宿区左門町の

『於岩稲荷田宮神社』です。

 

最寄駅は

東京メトロ丸ノ内線

『四谷三丁目』。

 

駅から徒歩5分

住宅街に佇む

小さな神社です。

 

創建年は不祥ですが

四谷左門町の先手鉄砲組同心の

田宮家の邸内にあった祠が起源です。

 

先手組とは

『さきてくみ』と読み

江戸の治安維持を担った組織です。

 

初代田宮又左衛門の娘

お岩が篤く信仰し

婿養子の伊右衛門とともに

家勢を再興したことから

『お岩さんの稲荷』として

次第に人々の信仰を集めるようになります。

 

画像はネットからお借りしました

 

実際のお岩さんは

1636(寛永13)年に亡くなっていますが

死後200年経った1800年代初頭に

鶴屋南北が『東海道四谷怪談』を書き

歌舞伎や落語で演じられると

お岩さんのイメージが一転します。

 

『四谷怪談』で描かれたストーリー

 

田宮又左衛門の一人娘の岩は

容姿性格ともに難があり

婿を迎えることがなかなかできませんでした。

 

浪人の伊右衛門は

仲介人に半ば騙された形で

田宮家に婿養子として入り岩を妻にします。

 

田宮家に入った伊右衛門は

上司である与力の伊東喜兵衛の妾に惹かれ

また喜兵衛は妊娠した妾を

伊右衛門に押し付けたいと思い

望みの一致した二人は結託してお岩を騙し

田宮家から追い払います。

 

騙されたことを知ったお岩は

狂乱になり失踪します。

 

しばらくすると

お岩の祟りにより

伊右衛門の関係者が次々と不審死を遂げ

田宮家は滅亡します。

 

そして

田宮家の跡地では怪異が続発したため

於岩稲荷を建てたところ

怪奇現象が収まります。

 

『四谷怪談』では

伊右衛門は悪者で

お岩さんは怨念に満ちた幽霊

そんな風に描かれていますが

実際の二人は終生仲睦まじく暮らしたそうです。

 

1879(明治12)年に火災に遭い

神社は焼失してしまいます。

 

『四谷怪談』を手がけては

天下一品と言われた歌舞伎俳優の

初代市川左団次の勧めもあり

東京市京橋区(現、東京都中央区)にあった

左団次の所有地に移転します。

 

その『於岩稲荷田宮神社』も

1945(昭和25)年の戦災で焼失し

『於岩稲荷』は途絶えてしまいますが

1952(昭和27)年に

『於岩稲荷田宮神社』として

現在地に再建されます。

 

境内に入ると左手に

簡素な手水舎があります。

 

手水鉢の正面に彫られているのは

田宮家の家紋だった

陰陽勾玉巴紋です。

 

手水舎の先には

小さな祠があり

『於岩大神』と書かれた

小さな鳥居が何基か奉納されていますが

こちらが『於岩稲荷田宮神社』ではありません。

 

小さな祠ですが

それなりに大きい対の神狐に

護られています

 

何時頃の奉納かは不明ですが

左右ともに鼻がもげ

痛々しく修復されています。

 

こちらが拝殿

 

『四谷怪談』とは裏腹に

招福、商売繁盛、芸能・興行の成功

最近では交通安全、入学試験合格などにも

ご利益があるとされています。

 

拝殿を護る神狐は凛としています

前垂れで分りにくいのですが

右の神狐は鍵取りになっています。

 

左の神狐は珠取りですが

こちらも前垂れに隠れています。

 

『四谷怪談』との因縁もあり

玉垣の奉納者に

歌舞伎俳優も見受けられます。

 

『四谷怪談』に登場するお岩さんは

おどろおどろしい感じがしますが

『於岩田宮神社』を参詣すると

イメージが払拭されます。

 

於岩田宮稲荷神社

東京都新宿区左門町17

 

次回は、本日15:00にオンストリート編。過去の旅などで脳裡に焼き付いている街角の光景をご紹介します。テーマは、東京都江東区清澄白河です。