スピンオフ編~埼玉県草加市・江戸時代の素晴らしい彫刻が現存する『東福寺』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

全国各地のビーフカツを紹介している超変人の超マニアックなブログです。最近は国内、韓国、中国などのB級グルメについても書いています。

ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。

 

今日は

埼玉県草加市の『東福寺』です。

 

最寄駅は

東武スカイツリーライン『草加』。

 

駅東口から徒歩10分

山号を松寿山、院号を不動院という

真言宗智山派の寺院です。

 

1606(慶長11)年

草加宿の祖とも言われる大川図書が開基し

僧・賢宥が開山したと伝えられています。

 

大川図書は

小田原の北条氏に仕える武士でしたが

1590(天正18)年

豊臣軍により小田原城が落城したことで

浪人となり草加の地に住むようになります。

 

図書は

当時は湿地帯であったこの地に

茅などを刈って束にし

それを湿地帯に埋めることで道を作りました。

 

徳川代二代将軍秀忠が鷹狩で当地を訪れた際

この道は草のおかげであるとし

この地域を『草加』と命名したことが

現在の地名の由来になっています。

 

参道の正面にある山門は

本柱の前後に4本の控柱を配した四脚門で

『四つ足門』とも呼ばれています。

 

冠木上の彫刻は

開祖・賢宥の逸話を基にした見事なもので

1865(元治2)年の銘があるそうです。

 

境内に入ると

すぐ左手に鐘楼があります。

 

石積みの基壇上に立ち

各柱の間隔が2.7mの方形で

『文久二年七月再造立』の銘がありますので

1862年に建てられたことになります。

 

四方の梁の絵様彫刻は

江戸時代の代表的な宮彫りの流派である

『立川流』を基本としています。

 

対の龍が戯れる緻密な彫刻は

施された朱塗りが印象的です。

 

デザインが微妙に異なり

ストーリー性があるようです。

 

四辺目には

子どもの龍が登場しますので

夫婦の龍ということなのでしょうか?

 

現在の本堂は

江戸時代末の建立と考えられていますが

詳細は不明です。

 

向拝虹梁の彫刻や木鼻は

一見シンプルに見えますが

よく見ると緻密で素晴らしいものです。

 

本堂内には

素晴らしい彫刻欄間があるそうですが

施錠され内部に入ることができません。

 

駄目もとで寺務所に参拝をお願いしたところ

快くご承諾して頂けました。

 

こちらは本編とは関係ありませんが

寺務所への門前に置かれた金色のポスト。

 

『INFORMATION POST』

何なのでしょう?

 

閑話休題

 

本堂の外陣には

江戸の名工・島村園哲作の

3枚からなる彫刻欄間があります。

 

中央のものは幅173㎝あり

仏教の守護神である龍の構図です。

 

龍は水に縁のある空想の動物で

伽藍を火災から守る願いも込められています。

 

左右はやや小さく

中国の『二十四孝』の一部が描かれています。

 

向かって左側は

ひざまずいて天女を見上げる董永。

 

董永は

家が貧しくとも親に孝行の限りを尽くし

妻を迎える余裕もなく

親の死に及んでは

身を売って葬儀を行いました。

 

この至誠が天に通じて天女が降臨し

借財を返しても余りある織物を作った後

再び昇天する場面がこの構図です。

 

向かって右側は

象と耕作する大舜。

 

大舜の親への孝行に鳥獣が感じ入り

象が来りて耕作を助け

鳥が草を取るという構図です。

 

立派な人天蓋です。

 

境内には

大川図書の墓、不動堂、大師堂など

まだまだ見るべきものがありますが

長くなりますので今日はこの辺にしておきます。

 

東福寺

埼玉県草加市神明1-3-43

 

次回は、本日15時に他人の迷惑を顧みず私の好きな曲をご紹介するMUSIC編。Bazilian & Westerの『Good Thing』です。