スピンオフ編~東京都港区白金台・アール・デコの粋に溢れる洋館『旧朝香宮邸』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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全国各地のビーフカツを紹介している超変人の超マニアックなブログです。最近は国内、韓国、中国などのB級グルメについても書いています。

ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。

 

今日は

東京都港区白金台の

『旧朝香宮邸』です。

 

最寄駅は

都営地下鉄三田線、東京メトロ南北線

『白金台』。

 

駅から徒歩6分

『東京都庭園美術館』の中にあります。

 

ゲートを入ると広いアプローチが続き

正面に洋館が見えます。

 

この洋館が『旧朝香宮邸』

1933(昭和8)年に竣工し

朝香宮家が皇室を離脱した

1947(昭和22)年まで

ここに住まわれていました。

 

朝香宮家は

久爾宮朝彦親王の第八王子鳩彦王が

1906(明治39)年に創設した宮家です。

 

鳩彦王は

軍人として留学中の1923(大正12)年

フランスで交通事故に遭い

長期療養を余儀なくされます。

 

このため

奥様の允子妃も渡仏し

2年余りをご夫妻はパリで過ごされました。

 

ご夫妻はパリ滞在中

アール・デコに強い感銘を受け

帰国後に建設されたのがこの邸宅です。

 

全体設計は宮内省(当時)内匠寮

主な部屋の内装設計は

フランス人装飾美術家アンリ・ラパンが起用され

外装、内装ともに

アール・デコ様式が取り入れられています。

 

そのような建物のなかで

唯一違和感を感じるものが

車寄せ部分にあります。

 

それは対の狛犬です

・・・向かって右には子取りの阿形。

 

左側には玉取りの吽形。

 

こちらに引っ越される前の邸にあり

鳩彦王のお気に入りであったことから

移設されたそうです。

 

始めは違和感を覚えましたが

アール・デコ調の邸宅と

不思議に調和しています。

 

正面玄関には

フランスのジュエリーデザイナーで

ガラス工芸家でもあるルネ・ラリックによる

ガラスレリーフ扉があります。

 

有翼の女性像をモチーフに

型押ガラス製法で作られた

立体的で素晴らしいものです。

 

扉の先にあるのは大広間

・・・扉から入ることはできませんが。

 

アンリ・ラパンによる内装設計で

40個の天井照明や

ウォールナット材の壁などが

重厚で落ち付いた空間を作り出しています。

 

大広間に飾られた大理石のレリーフは

フランスの彫刻家レオン・ブランショの

『戯れる子供たち』という作品です。

 

大広間に続く大客室

こちらもアンリ・ラパンの設計。

 

邸宅の中で最もアール・デコの粋が

集められた部屋です。

 

壁画はアンリ・ラパン直筆で

森の中の庭園の情景が描かれています。

 

ひときわ豪華なシャンデリアは

ルネ・ラリックによるものです。

 

暖炉の上に飾られた花瓶は

アンリ・ラパンがデザインし

カミーユ・タローが絵付けしたもので

1925年頃の作品と言われています。

 

銀引きフロスト仕上げの

エッチング・ガラスを嵌め込んだ

大広間とを繋ぐ扉は

フランスの画家でガラス工芸家の

マックス・アングランによるものです。

 

また

タンパンと呼ばれる

半円形の飾り部分は

フランス人の鉄工芸家

レイモン・シュブによるものです。

 

大客室の次室に置れているのは『香水塔』。

 

アンリ・ラパンがデザインし

フランス国立セーブル製陶所で製作された

白磁の噴水機です。

 

上部の照明部分に香水を施し

その熱で香りを漂わせたことから

『香水塔』と呼ばれるようになりました。

 

大客室の隣にあるのは大食堂

こちらの部屋にも

アール・デコを感じさせるものが

数多くあります。

 

部屋を照らす照明は

ルネ・ラリックのデザインです。

 

赤いパーゴラと楽園の泉

みずみずしい果物が描かれた壁画は

アンリ・ラパンの自筆です。

 

植物を施した壁面レリーフ制作者は

フランス人彫刻家

イヴァン・レオン・アレクサンドル・ブランショ。

 

コンクリート製でフランスから送られてきましたが

到着時にひびが入っていたため

日本で型を取って石膏で作り直し

銀灰色の塗装がなされたとされています。


貝と魚を施したラジエーターカバーは

宮内省内匠寮のデザインです。

 

こちらは

大広間から2階へ上る第一階段。

 

手すりのデザインには

アール・デコの特徴である

ジグザグのラインが強調されています。

 

嵌め込み金物は

ブロンズ製銀燻し仕上げで

宮内省内匠寮によるデザインです。

 

2階には

居間、寝室、書斎など

宮家の個人的な部屋があり

1階ほどではありませんが

素晴らしい装飾が施されています。

 

今回は長くなりましたのでここまでとし

折をみて2階部分についてブログアップします。

 

旧朝香宮邸

東京都港区白金台5-21-9

03-3443-3228

展覧会開催期間の入館可

2023年の開催予定はこちら

10:00-18:00

入館料:展示会により異なる

毎週月曜日休館

(祝日の場合は開館し翌日休館)

 

次回は、本日15:00にオンストリート編。過去の旅などで脳裡に焼き付いている街角の光景をご紹介します。テーマは、東京都中央区湊町です。