スピンオフ編~兵庫県たつの市・うすくち醤油の製造工程が分かる『うすくち龍野醤油資料館』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

全国各地のビーフカツを紹介している超変人の超マニアックなブログです。最近は国内、韓国、中国などのB級グルメについても書いています。

ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。

 

今日は、兵庫県たつの市の

『うすくち龍野醤油資料館』です。

 

最寄駅は

JR姫新線『本竜野』。

 

駅から徒歩20分

伝統的建造物群保存地区にある

小さなミュージアムです。

 

1932(昭和7)年竣工の

『ヒガシマル醤油』の元本社ビルを利用して

1979(昭和54)年に

全国初の醤油資料館として開館しました。

 

館内には

醤油に関する資料が展示されるとともに

往年の工場が再現され

うすくち醤油ができるまでの工程が

分かりやすく紹介されています。

 

醤油の作り方は全く知りませんでしたが

このフローチャートで何となく理解できました。

 

うすくち醤油の原料は

大豆、小麦、塩、米です。

 

蒸して柔らかくした大豆と

炒ってひき割った小麦を合わせ

醤油麹を作ります。

 

醤油麹と塩水を混合して

仕込蔵で発酵熟成させて諸味を作ります。

 

諸味に

蒸した米から作った甘酒を加え

圧搾すると醤油の元が出来ます。

 

味にまろやかさを加えるため

甘酒を加えるのがうすくち醤油の特徴だそうです。

 

それでは実際に工場を見学してみます

まずは原料処理場から。

 

こちらの原料処理場では

大豆をふやかしたり蒸したりする

初期の作業を行うそうです。

 

『豆洗い箱』

この中に大豆と水を入れ

揺すりながら豆を洗います。

 

龍野を流れる揖保川は

全国まれにみる鉄分の少ない軟水で

この良質の水が

うすくち醤油を作るうえで欠かせません。

 

『地釜』

昔はこのような地下に埋めた釜で

大豆を炊き、米を蒸しました。

 

向かって左が大豆用

右が米用です。

 

『甑(こしき)』

甘酒を作るために米を蒸す装置です。

 

次の工程は麦炒り

ひき割りやすくすると同時に

でんぷんを麹菌が消化しやすいように変化させます。

 

『唐箕(とうみ)』

風を送り小麦とゴミを分ける装置で

麦炒りの前段階で使われていました。

 

『麦炒釜』

江戸から明治、大正初期までは

このような竈で火を焚き

鉄板で小麦を炒っていました。

 

『麦炒機』

大正中期から昭和にかけて

麦炒りは省力化の道を進みました。

 

『碾臼(ひきうす)』

 

炒った小麦を

この臼で一粒5~6個にひき割ります。

 

『麹室』

混ぜ合わせた大豆と小麦に種麹を植え付け

『麹蓋』と呼ばれる浅い木箱に盛り

この煉瓦の部屋の中で麹カビを育成し

醤油麹を作ります。

 

こちらが『麹蓋』。

 

『麹蓋』はこのように積重ねられ

麹カビを育成します。

 

麹作りの目的は

原料のたんぱく質やでんぷんを

分解する酵素を作ることです。

 

『仕込蔵』

『麹室』で作られた醤油麹と塩水を混合し

発酵熟成させ諸味を作ります。

 

空調設備の無かった時代には

発酵熟成に1年以上を要したそうです。

 

こちらは『圧搾場』

甘酒を加えた諸味を搾って

生汁にします。

 

こちらの圧搾機は水圧式で

昭和になってから使われたそうです。

 

諸味は布製の搾り袋に入れられ

圧搾機で搾られます。

 

因みにこの太鼓は

仕事の始まりなどを知らせるもので

明治時代頃まで使われていたそうです。

 

こちらは水圧式の圧搾機以前に使われていた

『棒締式圧搾機』です。

 

分かりやすく構造を説明した図がありました。

 

てこの原理を応用したもので

親柱に取り付けられた可動式のはね棒に

縄で石を吊るし搾る方法です。

 

このはね棒が石の重みで下がり

盤木を槽の中に押し込んで

下に置かれた搾り袋に圧を掛け圧搾します。

 

搾られた生汁は生汁樽に入れられ

その後に火入れ、清澄の作業を経て

容器に充填され商品になります。

 

見学コースの最後には

昔の帳場も再現されています。

 

これまで何気なく使っていた醤油ですが

資料館を見学して

発酵食品の素晴らしさを再認識させられました。

 

なお、この素晴らしい資料館の入館料が

たった10円なのにはびっくりしました。

 

うすくち龍野醤油資料館

兵庫県たつの市龍野町大手54-1

0791-63ー4573

9:00-17:00

月曜日休館

入館料10円

 

次回は、本日15時に他人の迷惑を顧みず私の好きな曲をご紹介するMUSIC編。Cock Robinの『When Your Heart Is Weak』です。