スピンオフ編~滋賀県彦根市・和風建築のキリスト教礼拝堂『スミス記念堂』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。

 

今日は、滋賀県彦根市の『スミス記念堂』です。

 

最寄駅は

JR琵琶湖線、近江鉄道の『彦根』。

 

駅から徒歩20分

彦根城の外堀の西側に

お堂がぽつんと建っています。

 

こちらが『スミス記念堂』

どう見ても仏教寺院ですが

何故『スミス』という名前なのでしょう?

 

正面右側から見た図

寺のお堂にしか見えません。

 

正面左側から見た図

やはり仏教関係の建物ですよね。

 

しかし

鬼瓦に違和感を覚えます。

 

十字架のような紋が付いています。

 

唐破風の下にも

十字架らしきものと葡萄の彫刻が

・・・なんかキリスト教のような感じです。

 

頭の中が混乱していますが

取り敢えず中に入ってみます。

 

内装は仏教寺院風なのですが

キリスト教会風のベンチが置かれています。

 

祭壇に向かうと

仏教寺院風の欄干があります

・・・やはりお寺かな?

 

祭壇はキリスト教会風

・・・あぁ分からない!

 

祭壇の右側には

西洋女性のような立像があります

・・・ひょっとして聖母マリア像?

 

祭壇の左側には

十字架が置かれています。

 

振り返ると

窓は寺院にある花頭窓ですが

ベンチはキリスト教会のものです。

 

頭の中が爆発しそうなので

一旦外に出ますと

由緒が書かれた石碑がありました。

 

結論を急ぎますと

この建物は1931(昭和6)年に

パーシー・アルメリン・スミス氏が建てた

キリスト教の礼拝堂です。

 

スミス氏はアメリカ人牧師で

『彦根高等商業学校』(現、滋賀大学経済学部)で

英語を教えていましたが

両親を記念し感謝する思いと

日米両国の人々のキリスト教を通じた交流を願って

多額の自己資金を投ずるとともに

日米双方からの拠金により

この建物を建造しました。

 

『須美壽禮拝堂』と名付けられたこの建物は

彦根の宮大工・宮川庄助氏によって施工され

『和』を基調としつつも東西の様式が一体渾然となった

独特の雰囲気を持ったもので

正面の観音扉などには

葡萄の蔓が巻き付いた十字架や

松竹梅の模様が彫られています。

 

釘隠しには十字架の意匠が用いられ

純日本風建築の中に

西洋風のデザインが違和感なく溶け込んでいます。

 

欄間や手水鉢にも

十字架や葡萄などがさりげなく取り入れられ

スミス氏の日本文化への敬意が読み取れます。

 

道路拡張計画により

取り壊し寸前だった『スミス記念堂』は

1996(平成8)年に

移築活用を願う

『スミス記念礼拝堂を彦根に保存する会』により

解体保存され

2003(平成15)年に設立された

『特定非営利活動法人スミス会議』に引き継がれて

2006(平成18)年に解体部材を用いて

現在地に再建されました。

 

このような歴史的な建造物が

市民の手によって保存されたということは

素晴らしいことですね。

 

スミス記念堂

滋賀県彦根市本町3-58

開館日・時間等は『スミス会議』事務局で

0749-24-8781

 

次回は、本日15時に他人の迷惑を顧みず私の好きな曲をご紹介するMUSIC編。Little River Bandの『The Night Owl』です。