スピンオフ編~東京都台東区新御徒町・名匠の作品ではありませんが風情ある看板建築『西郷醫院』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。今日は、東京都台東区新御徒町の『西郷醫院』です。

 

 

最寄駅は

都営地下鉄大江戸線、つくばエクスプレス線

『新御徒町』。

 

 

日本で2番目に古い商店街

『佐竹商店街』を抜け徒歩5分

商店街の一本西の通りの角に

素敵な建物が現れます。

 

 

周囲の下町の家屋とは

一線を画す意匠の洋館風。

 

 

こちらが『西郷醫院』

すでに廃院になっていますが

現在でも住居として使用されています。

 

 

建築年は不明ですが

木造家屋にモルタルの外壁を取り付けた

いわゆる『看板建築』ですので

関東大震災が起こった

1923(大正12)年以降の竣工と考えられます。

 

 

玄関に掲げられた文字は

旧字体ですが

何故か左書きになっています。

 

余談ですが

日本語の横書きが左書きになったのは

第二次世界大戦後と思われがちですが

そうでもないのです。

 

確かに終戦までは

右書きが主流でしたが

太平洋戦争開戦の翌年1942(昭和17)年に

当時の文部省の指導で

左書きへの統一が打ち出されています。

 

しかし戦時中は

欧米の文字の並びに揃えることに反対する声も大きく

左書きに踏み切るところは多くはなかったようです。

 

 

閑話休題

 

建物の設計者に関しても詳細不明ですが

著名な建築家ではなく

大工さんや職人さんが知恵を出し合って

見よう見まねで作り上げたのではないでしょうか?

 

 

ポーチにある2本の柱はエンタシスで

中央部から上部に向けて細くなっています。

 

 

柱頭には

コリント式に見られる

アカンサスの葉を象った装飾が施されています。

 

歴史学者や建築家が見れば

『なんちゃってギリシャ風』であることは

一目瞭然なのでしょうが

下町の職人が作ったものとすれば

驚異的な出来栄えだと思います。

 

 

三連アーチに

スカロップの装飾を施した

印象的な2階の窓。

 

 

コーニスのようなものも

ちゃんと施されています。

 

 

角の部分にはメダリオンも

・・・私の知識では何のデザインかは分かりません。

 

 

西洋風の意匠の中にあって

木製の和風の引き戸。

 

ミスマッチのようにも思えますが

これが何とも言えない

不思議な雰囲気を醸し出し

この建物のアクセントになっています。

 

 

電力会社の無粋には

たびたび憤慨しますが

この電柱は酷過ぎますね。

 

 

隣には

銅板張りの看板建築の家屋があります。

 

 

2ショットにすると

風情ある下町の風景が感動的です。

 

 

この辺りには

都心であるのもかかわらず

看板建築が多く残っています。

 

その中でも異彩を放つ『西郷醫院』

いつまでも残って欲しい建物です

・・・お住まいの方は維持が大変でしょうが。

 

次回は、本日15:00にオンストリート編。過去の旅などで脳裡に焼き付いている街角の光景をご紹介します。テーマは、栃木県足利市です。