スピンオフ編~東京都世田谷区成城学園前・高級住宅街に佇む瀟洒な洋館『旧山田家住宅』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。今日は、東京都世田谷区成城学園前の『旧山田家住宅』です。

 

 

最寄駅は

小田急小田原線

『成城学園前』。

 

 

駅から徒歩12~13分

国分寺崖線上に位置する

『成城みつ池緑地』があります。

 

 

『旧山田家住宅』は

緑地の一角にある洋館で

1937(昭和12)年頃に

楢崎定吉という人が建てた建物です。

 

楢崎氏に関する詳しい情報はありませんが

アメリカに長らく居住し

事業を成功させた事業家で

帰国後にアメリカ住宅の影響を受けた

この建物を建設したと伝わっています。

 

 

第二次世界大戦終戦後は

一時進駐軍に接収されていましたが

1961(昭和36)年に

画家の山田盛隆氏が購入し住まいとしていました。

 

後に山田家より世田谷区に寄贈され

保存・改修工事が実施され

2017(平成29)年から一般公開されています。

 

 

玄関ポーチは

入口に向かって右手側に柱が無い

開放的な造りになっています。

 

 

玄関ポーチの柱の壁には

2種類のスクラッチタイルが使われています。

 

 

建物には

創建当初のものと考えられている

ステンドグラスが2か所残っています。

 

1つ目は

玄関の上部を脇に取り付けられたもので

幾何学的なパターンに

花のモチーフがあしらわれています。

 

 

2つ目は

現在は休憩室として利用されている

『旧食堂』から2階へ続く

来客用階段の踊り場にあります。

 

 

上げ下げ窓で

樹木の背後に水辺が描かれています。

 

ステンドグラスには

光の加減や見る角度で

乳白色から様々な色合いに変わる

『オパールセント』が使われています。

 

 

『旧居間』

現在は来館者の休憩室として使われています。

 

 

『旧居間』に続く『旧ポーチ』

建築当初は腰壁だけで

窓のないベランダだったそうです。

 

こちらも休憩室として使われ

コーヒーを頂くことができますが

コロナ禍の現在は中止になっています。

 

 

以前は2階部分が非公開でしたが

現在は見学ができるようになりました。

 

 

2階には寝室や客間などがあり

こちらは緑地に面した『旧寝室(西側)』です。

 

 

西側の寝室の隣には

『旧寝室(東側)』がありますが

こちらの壁紙は他の部屋と異なり

趣味の良くないものになっています。

 

進駐軍に接収されていた時期に

貼られたものだそうです。

 

 

東側の寝室には

バルコニーへの扉がありますが

来館者が出ることはできません。

 

 

こちらは

館内で唯一の日本間。

 

 

床の間、違い棚、書院を備えた

本格的な書院造りの部屋になっています。

 

 

雪見障子と外窓の間には

外部の『洋』と日本間の『和』を分かつため

狭い縁が設けられ

洋館の外観を統一する工夫がなされています。

 

 

家人用の階段の近くには

ランドリーシューターが設けられ

洗い物を階下の台所に落とせるようになっています。

 

創設者の楢崎氏が

アメリカの住宅を倣って作ったようですが

山田氏が住むようになってからは

利用されていなかったとのことです。

 

 

旧山田家住宅には

様々な形の照明器具がありますが

旧山田邸に残されていたものは

2階の『旧客間』と洗面所に

取り付けられているものくらいで

他は同じ時代に建築された

区内近代住宅で使用されていたものを

保存・改修工事の際に取り付けたとのことです。

 

こちらは

2階の『旧客間』に取り付けられている

旧山田邸からの照明器具です。

 

 

1階の『旧居間』の照明器具

旧山田邸のものではありませんが

昭和初期のデザインを楽しむことができます。

 

 

和室を除く床面は

廊下も含め全て寄木が張られています。

 

寄木のデザインは4種類あり

客人の目につかない生活エリアでは

簡易的な2種類のデザインが採用され

1階の来客エリアでは

凝った2種類のデザインが用いられています。

 

こちらは1階の『旧食堂』の床

縁取りが施された洒落た意匠になっています。

 

 

ドアノブには

クリスタルの握り玉が使用されているものがあります。

 

こちらは『旧食堂』のドアノブ

見る人が見れば分かるのでしょうが

私のような凡人には

プラスティックとの違いが分かりません。

 

 

地下室に下りる階段が空いており

サンダルがありましたので

見学可と勝手に判断し入室しました。

 

 

コンクリート打ちっ放しの

恐ろしく殺風景な部屋でした

・・・入室不可だったのかも。

 

 

ほぼ建築当時のまま残されている

築85年の瀟洒な洋館

昭和初期のモダンな雰囲気を

十分に楽しめました。

 

旧山田家住宅

東京都世田谷区成城4-20-25

03-3789-6111(世田谷トラストまちづくり)

9:30-16:30

月曜日休館

入館無料

 

次回は、本日15:00にオンストリート編。過去の旅などで脳裡に焼き付いている街角の光景をご紹介します。テーマは、韓国カンヌン(江陵)市です。