スピンオフ編~我が家『日本国旅券の変遷』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。今日は、『日本国旅券の変遷』です。

 

海外を旅して半世紀以上

私の手元には十数冊の旅券が残っています。

 

断捨離する気にもなれず

何となく保管していましたが

内容を詳細に見ることはありませんでした。

 

先日STAY HOMEの影響もあり

1冊1冊見てみましたところ

記載内容やデザイン、レイアウトが

微妙に変わっていることに気付き

面白かったのでリポートします。

 

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観光渡航が自由化されたのは

1964(昭和39)年のこと。

 

私が初めて海外を旅したのは

その3年後の1967(昭和42)年。

 

東南アジアを中心に

3か月ほど旅をしました。

詳細は→こちら

 

その時に取得したのがこの旅券

現在のパスポートより

一回り大きいサイズです。

 

 

記載事項には

氏名、国籍、本籍、生年月日の他に

今では考えられないような項目もありました。

 

 

その項目とは

身長、特徴、職業、渡航目的。

 

私の特徴欄にはNONE(特に無し)

そう記載されています。

 

おそらくこの欄には

片腕がないとか片足がないなど

現在では許されないことが

記載されていたのではないかと思います。

 

 

4ページ目には『効力』が記載されています。

 

1.この旅券は、発行の日から帰国するまで有効である。

 

まだ、数次旅券がなく全て一次旅券で

帰国と同時に失効になりました。

 

しかし海外に滞在する限りは永遠に有効で

現在の旅券のように

有効期限切れで再申請する必要はありませんでした。

 

2.この旅券は、所持人が発行の日から

6か月以内に出国しないときは失効する。

 

海外での有効期限がない反面

国内に於いてはこのような期限がありました。

 

5ページ目には『渡航先』が記載されます。

 

旅券申請の際に記載した渡航予定国が

この欄に記載されます。

 

この欄に記載されていない国では

入国を拒否されます。

 

海外滞在中に予定が変わり

記載国以外に行く場合には

在外日本領事館で追加申請が必要でした。

 

 

当時はまだ

外貨と日本円の持ち出し制限があり

外貨は米ドルで500ドル(当時のレートで18万円)まで

日本円は2万円まででした。

 

23ページには『渡航に関する証明』欄があり

金融機関での両替証明が記載されています。

 

また日本円については

出国する空港の税関で提示し

金額を記載した承認印を貰います。

 

 

こちらは

1970(昭和45)年4月に取得した旅券。

 

記載事項に

身長、職業、渡航目的はありますが

特徴は除外されました。

 

 

1970(昭和45)年末には

外交官など特殊な職業のみに発行されていた数次旅券を

誰でも取得できるようになりました。

 

私は個人的な事情で

2年間海外への旅ができなかったため

数次旅券を初めて取得したのは

1973(昭和48)年になってからのことです。

 

表紙の色は紺色で

一次旅券を同じですが

金色の枠が施され

菊の紋章の下に

『数次旅券』と印刷されています。

 

 

レイアウトが大きく変更になり

これまで3ページにあった所持者の写真が5ページに移り

3ページには5ページにあった渡航先が

移動してきました。

 

2ページの記載事項には

身長と渡航目的は残っていますが

職業は削除されました。

 

また渡航目的には

NOT SPECIFIED(指定なし)と記載されるようになりました。

 

大きく変わったのは渡航先

これまでの一時旅券では

申請した国が記載されていましたが

数次旅券では

北朝鮮を除く全ての国と地域になりました。

 

 

4ページの『効力』も数次化により

『発行の日から5年を経過した時に失効』となり

海外滞在中でも5年経つと失効になります

・・・まだ10年の数次旅券は発行されていません。

 

 

外貨両替が自由化されていなかったため

査証欄の終わりのほうのページに

銀行での両替履歴が記載されています。

 

 

5年の数次旅券の有効期限が切れた

翌年の1979(昭和54)に再び数次旅券を取得しました。

 

この時もまだ5年有効のもので

大きさ、レイアウト、記載内容に変更はありませんでしたが

表紙が赤色になりました

・・・一次旅券は紺色のままでした。

 

そして銀行での両替履歴の記載はなくなりました。

 

 

私が現在の使用している

2017年に取得した

10年有効の数次旅券。

 

1997(平成7)年に10年有効のものが加わり

これまで赤色だった5年の数次旅券は

以前と同じ紺色に変更されました。

 

ICAO(国際民間航空機関)の基準に準拠し

この大きさになったのは

1992(平成4)年です。

 

 

大きさ変更と同時に導入された

機械読み取り式旅券で

身長や渡航目的の欄はなくなりました。

 

また渡航先の欄には

valid for all countries and areas unless otherwise endorsed

(別途指示されない限りは全ての国、地域に有効)

そう記載され

『except North Korea』(北朝鮮を除く)は削除されました。

 

 

2006(平成18)年には

『バイオメトリック・パスポート』が発行され

冊子の中ほどにICチップが内蔵されました。

 

ICAO(国際民間航空機関)の仕様では

ICチップへの顔画像の搭載は必須

指紋画像と虹彩画像の搭載は各国の任意となっています。

 

外務省によれば

日本の旅券に搭載されているのは顔画像だけで

指紋画像と虹彩画像は搭載されていないとのことです。

 

 

2027年まで現在所有している旅券が有効なため

『富獄三十六景』をデザインした

新しい旅券を取得できるのは6年先。

 

それまでにはコロナウィルスとの共存も図られ

私のようなワクチン非接種者も

何ら制約なく海外を旅できるようになり

現有の旅券を活用できると信じています。

 

次回は、本日15:00にオンストリート編。過去の旅などで脳裡に焼き付いている街角の光景をご紹介します。テーマは、北海道函館市です