スピンオフ編~東京都荒川区町屋・重要文化財の下水処理施設『旧三河島汚水処理場喞筒場施設』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。今日は、東京都荒川区町屋の『旧三河島汚水処理場喞筒場施設』です。

 

 

最寄駅は

都電荒川線『荒川二丁目』。

 

 

電停から徒歩2分

大学と間違えそうな赤レンガの門が現れます。

 

ここが『旧三河島汚水処分場喞筒場施設』の正門

喞筒は『ソクトウ』または『シュクトウ』と読み

ポンプを意味します。

 

 

東京都の下水処理施設である

『三河島水再生センター』の中にある

旧三河島汚水処分場のポンプ場が

国の重要文化財(建造物)に指定されており

一般に公開されています。

 

 

見学は無料ですが事前予約制で

電話またはインターネットで申し込めます。

 

予約の日時に旧事務棟で受付を済ませた後

20分ほどビデオでの施設の説明があります。

 

 

1914(大正3)年に東京市区改正事業の一環として

東京市の技師・米元晋一を中心に建設が進められ

1922(大正11)年3月に運転を開始した

日本で最初の近代下水処理場です。

 

ポンプ場施設は

1999(平成11)年に運転を停止しましたが

旧三河島汚水処分場の代表的遺構として

高い歴史的価値が認められることから

2007(平成19)年に下水道分野の遺構では初めて

国の重要文化財に指定されました。

 

 

施設見学はガイドさんの案内により

門衛所から始まります。

 

1925(大正14)年に建設された

鉄筋コンクリート平屋建てで

内部には2部屋、洗面所、便所が配置されています。

 

ポンプ場が稼働していた時には

巡視が24時間常駐していましたが

現在は使用されていません。

 

 

こちらは正門

1925(大正14)年に門衛所とともに整備されましたが

現在の物は

1988(昭和63)年からの車道部拡幅工事で

造り直されたものです。

 

このため正門は

重要文化財指定から除外されています。

 

 

門衛所、正門を見学した後は

いよいよ施設の見学に移ります。

 

通路の突き当りに建つ二つの建物は

『入口阻水扉室上屋』。

 

メンテナンス等のために

下水の流れを一時的に止める

扉の操作を行う部屋です。

 

 

入口阻水扉室上屋の裏手

一段低くなったところには

『沈砂池』が東西各1池あります。

 

 

こちらの出口から沈砂池に流れた下水を

池の中でゆっくりと流し

下水中の土砂類を沈殿させて取り除きます。

 

 

沈砂池をゆっくりと流れ

土砂類を沈殿させた下水は

『濾格室上屋』に流れ込みます。

 

 

濾格室上屋の入口には

土砂類やごみを取り除く

可動式のスクリーンが設置されています。

 

 

可動式スクリーンで引き揚げられた

土砂類やごみは『濾格室上屋』に集積されます。

 

 

集積された土砂類やごみは

『濾格室上屋』の前に設置されていたトロッコで

この坂の上まで運搬され

投棄場へ運ばれていました。

 

1961(昭和36)年に

土砂類やごみの回収方法が変わり

トロッコは撤去されましたが

レールの一部が残されています。

 

 

坂の上にあるこの建物には

トロッコを動かすための電動巻上機があり

ここで運転操作を行っていました。

 

 

『濾格室上屋』の裏手の地下には

下水の量を計測する『量水器室』があります。

 

ガラスの上から覗くだけで

中に入ることはできません。

 

流れて来る下水の量に応じて

ポンプや水処理施設の散水機の

運転台数を変えるとのことです。

 

ベンチュリメーターという設備で

下水の量を計測するとのことで

ガイドさんに丁寧にご説明して頂きましたが

申し訳ないことに文系人間には

原理を理解することはできませんでした。

 

 

『量水器室』の後ろに控えているのが

メインの施設である『喞筒場』

即ちポンプ室です。

 

 

ポンプ室の見学に先立ち

建物の前にある階段から地下室に案内されます

・・・なんとなくワクワクします。

 

 

『喞筒井接続暗渠』と呼ばれる施設で

東西に二系統あった下水が

この中で合流していました。

 

 

逆方向から見ると

合流地点がよく分かります。

 

 

合流した下水は

左右にある何室かの喞筒井流入します。

 

 

喞筒井はこのような施設で

ここに溜まった下水が

画像上部にある管を通り

1階にあるポンプで吸い上げられます。

 

 

こちらが喞筒場=ポンプ室で

10台のポンプが設置されています。

 

ポンプで吸い上げられた下水は

後方にある汚水処理施設に流入し

有機物や窒素、りんを生物処理で除去し

河川や海に放流されていました。

 

現在でも汚水処理施設は稼働していますが

技術の進歩とともに改良、改築されたため

重要文化財指定からは除外されています。

 

 

見学はポンプ室までで

汚水処理施設は含まれていません。

 

ポンプ室の脇には

施設の運転開始時から実際に使用されていた

幅288cm、高さ183cmの

馬蹄形煉瓦敷下水管の一部を切り取った

モニュメントが置かれています。

 

 

1時間半にも及ぶ見学ツアー

無料であるにもかかわらず

マンホールカード、絵葉書、マスクの

お土産まで頂きました。

 

 

赤煉瓦造りの建物を見たくてお邪魔しましたが

下水処理の仕組みなども学べ

とても有意義な時間を過ごすことができました。

 

有難うございました。

 

旧三河島汚水処分場喞筒場施設

東京都荒川区荒川8-25-1

03-6458-3940

9:00-16:00

火曜、金曜、年末年始休館

入館無料(要事前予約)

 

次回は、本日15:00にオンストリート編。過去の旅などで脳裡に焼き付いている街角の光景をご紹介します。テーマは、東京都墨田区東向島です