スピンオフ編~東京都武蔵野市吉祥寺・街の繁栄を見守ってきた『吉祥寺四軒寺』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。今日は、東京都武蔵野市吉祥寺の『吉祥寺四軒寺』です。

 

 

最寄駅は

JR中央線、京王井の頭線

『吉祥寺』。

 

 

駅の北側には

『サンロード』、『ハーモニカ横丁』などがある

ユニークな商業地区が広がっていますが

この地域のほとんどの土地を所有しているのが

『月窓寺』、『光専寺』、『蓮乗寺』の三寺なのです。

 

『吉祥寺四軒寺(しけんてら)』は

この3つの寺に『安養寺』を加えた

4つの寺の一般的な呼称で

『四軒寺』という寺院はありません。

 

 

駅から最も近いのは

サンロード商店街に面した

白色の竜宮門が印象的な月窓寺で

四軒寺では一番大きな寺です。

 

ただし

こちらの竜宮門からは

一般の参拝客は入れません。

 

 

『コピス吉祥寺B館』裏手にある

こちらが入口になります。

 

門柱が立っていますが

山門はありません。

 

 

1659(万治2)年

吉祥寺村の開村とともに創建された禅寺で

現在は曹洞宗系単立になっています。

 

正式名称は

雪洞山天暁院月窓寺。

 

 

境内に入ってまず目を引くのは

観音堂の脇に建つ立像。

 

一般的には『西遊記』で知られる

唐の僧『玄奘三蔵法師』で

1980(昭和55)年の開眼。

 

日本国内の寺院で

三蔵法師像を見るのは初めてです。

 

 

観音堂と本堂は

素敵な渡り廊下で繋がっています。

 

 

渡り廊下の奥には

禅寺らしい質素ながら美しい庭があります。

 

 

次は月窓寺の裏手に位置する光専寺へ。

 

 

創建年は不詳ですが

享保年間(1716~1736年)と言われています。

 

宗派は浄土宗で

正式名称は月秀山井の頭院光専寺。

 

 

こちらの寺で有名なのは『箪笥地蔵』という

箪笥を改造した厨子に納められたお地蔵さまで

享保年間に流行った疫病で亡くなった子供たちの供養と

助かった子供たちの延命を祈願し建立されました。

 

本堂に安置され

一般には公開されていないようです。

 

本堂の脇に建つ小さな祠は

地蔵堂と呼ばれていますが

箪笥地蔵ではありません。

 

 

中には地蔵尊ではなく

なぜか不動明王が安置されています。

 

 

本堂の横にある2棟の上屋には

たくさんの石仏が見えます。

 

 

手前の上屋には

護国地蔵尊、馬頭観音像などが

並んでいました。

 

 

奥には水子地蔵

やはりこの寺は地蔵尊に縁があるのですね。

 

 

三番目は光専寺の向かいにある安養寺。

 

 

朱塗りの小さな山門が印象的なこの寺は

1624(寛永元)年開山で

四軒寺では一番長い歴史があります。

 

正式名称は岸光山吉祥院安養寺と言い

宗派は真言宗です。

 

 

山門の近くには

石造りの摩尼車や庚申塔などが並んでいます。

 

特に興味深いのは

向かって左側の中央に立つ庚申塔。

 

 

1665(寛文5)年に建てられたもので

庚申塔としては

旧北多摩郡で最古の部類に属します。

 

何が興味深いのかと言うと

掘られた銘文に誤字があることです。

 

南無阿弥陀仏の『陀』に字が『施』

庚申の『申』の字が『辛』になっています。

 

 

本堂は余りにも近代的で

ちょっと興醒めですが・・・。

 

 

梁に付けられた龍頭

境内にある梵鐘の二本の角の龍頭を

モチーフにしたものと思われます。

 

 

本堂前の『南無大師遍照金剛』の石碑

こちらを護っているのは天燈鬼。

 

通常は相棒の龍燈鬼と対なのですが

何処にも見当たりません。

 

 

石碑の隣には

武蔵野七福神の布袋尊がいます。

 

 

最後は月窓寺の裏手

『吉祥寺通り』に面した蓮乗寺です。

 

1662(寛文2)年頃の創建と言われ

佛種山得乗院蓮乗寺が正式名称の

日蓮宗の寺です。

 

年代を感じさせるこの山門は

武家屋敷を思わせるものですが

普段は閉ざされたままです。

 

 

こちらが入口

社務所は最近改修されたようで

白亜の立派な建物です。

 

 

本堂内には

文政年間(1818~1831年)に

紀州の殿様より寄贈された

日蓮上人の坐像が安置されていますが

一般には公開されていないようです。

 

高さ130cmの木製で

右手にしゃく、左手の経文の巻物を持ち

『厄除日蓮』と呼ばれ

厄年男女の守り本尊とされています。

 

 

本堂は最近改修されましたが

木鼻などは昔からのものを使用しているようです。

 

 

鬼瓦は新造のようですが

『これぞ鬼瓦』といった威厳あるものになっています。

 

 

吉祥寺四軒寺は

いずれも吉祥寺駅から徒歩5分以内で

それぞれが隣接していますので

半日あれば四寺を廻ることが出来ます。

 

最後になりましたが

吉祥寺に『吉祥寺』という寺はありません。

 

1657(明暦3)年の『明暦の大火』で

江戸本郷元町(現文京区本郷1丁目辺り)にあった

『諏訪山吉祥寺』の門前町が焼失しました。

 

江戸幕府は都市計画に基づき

焼失した地を大名屋敷として再建することとし

門前の住民には代地を用意しました。

 

これに応じた一部の住民が

現在の吉祥寺近辺に移住し

いつしか吉祥寺と呼ばれるようになり

1664(寛文4)年に正式に『吉祥寺村』が成立しました。

 

月窓寺

東京都武蔵野市吉祥寺本町1-11-26

 

光専寺

東京都武蔵野市吉祥寺本町1-10-21

 

安養寺

東京都武蔵野市吉祥寺東町1-1-21

 

蓮乗寺

東京都武蔵野市吉祥寺本町1-10-12

 

次回は、本日15:00にオンストリート編。過去の旅などで脳裡に焼き付いている街角の光景をご紹介します。テーマは、栃木県栃木市です