スピンオフ編~東京都江東区亀戸・荒れた寺と見るのは観光客の上から目線かもしれません『普門院』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。今日は、東京都江東区亀戸の『普門院』です。

 

 

最寄駅は

JR総武線、東武亀戸線

『亀戸』。

 

 

駅から徒歩10分

亀戸天神の裏手の位置する

真言宗智山派の寺院です。

 

 

山号寺号を

福聚山善應寺といい

1552(大永2)年

三股(現、足立区千住)にあった

千葉自胤の城内に創建され

1616(元和2)年に当地に移ってきました。

 

移転の際に

船で梵鐘を運ぼうとしたところ

誤って隅田川に落としてしまい

引き上げることができませんでした。

 

この逸話が

『鐘ヶ淵』の地名の由来になりました。

 

鐘ヶ淵は現在

町名が墨田区墨田となりましたが

その名は東武スカイツリーラインの

駅名に残されています。

 

 

山門(・・・石柱が2基ですが)の前に

石碑のようなものが見えます。

 

 

明治期に活躍した歌人、小説家

『伊藤左幸夫の墓』と書かれています。

 

なぜ墓地にではなく

山門の外にあるのでしょう?

 

実は

墓は境内の墓地にあるそうで

この石碑は案内のようなものです。

 

 

ふと右に目を向けると

こちらにも墓碑が。

 

大島伯鶴の墓

この方のことは知りませんでしたので

帰宅後調べてみました。

 

講釈師のようですが

明治期に活躍した初代のものか

初代の息子で大正から昭和期に活躍した

二代のものかは分かりませんでした。

 

 

境内に入るとびっくり

ほとんど手入れされていない樹木が

鬱蒼と生い茂り

東南アジアの密林のようです

・・・廃寺ではない筈ですが。

 

 

山門の左手には

樹に埋もれた

立派な仏像があります。

 

 

岩のようなものに足を組んで腰掛け

右手に経本を持った

持経観音像でした。

 

 

1980(昭和55)年の建立で

近代的な微笑みを湛えた

お美しいご尊顔ですが

手入れの行き届かぬ様を

悲しんでいるようにも見えます。

 

 

観音像の近くには

『吾唯足知』のつくばいが。

 

禅寺でもない寺の

庭でもない場所に

『吾唯足知』のつくばい。

 

龍安寺のつくばいに感動した

檀家の方が奉納したのでしょうか?

 

 

本堂はコンクリート造りですので

さほど古いものではないと思いますが

ご覧の通りの荒れ放題。

 

 

境内には毘沙門天を祀る

毘沙門堂があり

亀戸七福神巡りの一社になっています。

 

正月7日間は開帳されますが

その他は扉が閉ざされています。

 

 

毘沙門堂の前には

小さな仏像が並んでいますが

これらもほぼ野ざらし状態。

 

 

なぜか布袋尊も交ざり

缶ビール片手にご機嫌です。

 

 

洋風なデザインの煉瓦塀

この向こうが墓地になっています。

 

煉瓦塀の前に

何やら気になるものが。

 

 

『東京消防廰』と書かれていますので

戦前の地下式消火栓だと思います。

 

 

墓地に入ると再度びっくり。

 

荒れ果てた境内とは裏腹に

東京スカイツリーを背景にした

広くて手入れの行き届いた墓所です。

 

 

立派な墓もたくさんあります。

 

こちらの墓の脇には

『古池や蛙飛び込む水の音』の句碑が。

 

松尾芭蕉と関係のある寺ではありませんので

個人的に設置したものでしょう。

 

 

ギリシャの神殿のような墓もあります。

 

この後

伊藤左千夫の墓所を探しましたが

見つかりませんでした。

 

 

山門近くに戻ると

三度びっくり。

 

密林のような中に

石仏や灯篭、石碑などが

無造作に置かれています。

 

 

なんと

墓石が倒れたまま

放置されています。

 

 

上半身だけになった石仏

カンボジアの遺跡に来たような

錯覚に陥ります。

 

 

境内からはほとんど見えませんが

外に回ると見える

大きな灯篭(?)

由緒あるものだと思います。

 

 

普門院には

所蔵する文化財が多数あるようですが

説明板やパンフレットがないもので

ほとんど目にできません。

 

もう少し整備すれば

と思うのは観光客目線。

 

境内が荒れ放題なのに

あれだけ立派な墓地を維持しているのは

檀家衆の支持が厚い証なのでしょう。

 

『普門』とは

広く衆生を済度しようとする

広大な慈悲の門。

 

華美に飾るのではなく

為すがままにし

だれでも入り易い寺

そう考えると納得できます。

 

普門院

東京都江東区亀戸3-43-3

 

次回は、本日15:00にオンストリート編。過去の旅などで脳裡に焼き付いている街角の光景をご紹介します。テーマは、東京都墨田区押上です。