スピンオフ編~中国福建省厦門市・清朝時代の砲台跡『胡里山砲台』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。今日は、中国福建省厦門(アモイ)市の『胡里山砲台』です。

 

 

厦門島の南海岸に位置する

『胡里山砲台』は

イギリスとのアヘン戦争が始まった

1840(清の道光20)年に清朝が築いたものですが

イギリス軍の砲撃により

壊滅的な状態になりました。

 

現在のものは

1891(光緒17)年に再建が始まり

5年後の1896(光緒22)年に完成した

砲台の跡です。

 

 

台湾海峡に面し

沖合2㎞には

台湾が領有する金門島があることから

軍事的な要衝と言え

1990年代半ばまでは

人民解放軍の管轄下にありましたが

現在は一般に開放され

内部の見学もできます。

 

 

砲台への入口であるこの門には

何故か厦門市内に向いた大砲が

2門設置されています。

 

 

門をくぐるとすぐに

たくさんの旧式の大砲が目に入ります。

 

 

 

砲台内に建つ

2体の銅像。

 

向かって右は

閩浙(現在の福建省と浙江省)総督の命により

胡里山砲台を再建した

福建水師提督の『楊岐珍』。

 

左は

清朝海軍の司令官として

胡里山砲台を設計した

ドイツ人のハンネケンです。

 

 

海側に下ると

要塞への門が現れます。

 

 

こちらは

一般の兵士の宿舎。

 

140名ほどの兵士が

常駐していたそうです。

 

 

二段ベッドがいくつか置かれた部屋で

兵士たちは寝起きしていたようです。

 

 

こちらのコロニアル風の洋館は

指令部だった建物です。

 

 

こちらは司令官の部屋

意外に質素な造りです。

 

 

議事廳(会議室)

作戦会議などが開かれていたのでしょう。

 

 

要塞の南面の小高い場所は

『望帰台』と呼ばれ

主砲が2門設置されていました。

 

 

望帰台からは

沖合に浮かぶ金門島が見えます。

 

 

設置されていた主砲は

ドイツのクルップ社から購入したクルップ砲で

砲口直径28㎝

砲身全長13.96m

重さ60トン

最大射程距離10.46㎞

有効射程距離6.04㎞

当時最新鋭の大砲でした。

 

 

2門あった主砲のうち

現在残っているのは1門のみ。

 

もう1門は

中華人民共和国になってから

鉄不足のため溶解され

船の材料にされてしまったそうです。

 

 

3万戸の家庭の生活費の

1年分とも2年分ともいわれる

莫大な金額を投じて購入した大砲ですが

実際に撃たれた砲弾は3発だけだそうです。

 

内2発は設置後の試射

もう1発は第二次世界大戦中に

厦門に攻め込んできた日本の軍艦に対して。

 

弾は日本の軍艦に命中しましたが

沈没はしませんでした。

 

結局

実戦で戦果を上げることは

なかったことになります。

 

胡里山砲台

中華人民共和国福建省厦門市思明区會厝安路2号

8:00-18:00

入場料25元

 

次回は、本日15:00にオンストリート編。過去の旅などで脳裡に焼き付いている街角の光景をご紹介します。テーマは、兵庫県神戸市中央区です。