ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。今日は、兵庫県神戸市垂水区の『旧武藤山治邸』です。
最寄駅は
JR神戸線『舞子』
または
山陽電車『舞子公園』。
駅から徒歩５分
入江の向こうに
瀟洒な建物が見えます。
こちらが
『旧武藤山治邸』です。
１９０７（明治４０）年に
実業家で衆議院議員も務めた
武藤山治氏の別邸として
現在の舞子ビラの近くに建てられました。
竣工当時は
和館が併設されていましたが
現在は洋館のみが残されています。
木造２階建て
床面積４２２．４㎡
円形バルコニー、スレート葺の屋根など
コロニアル様式を基礎にデザインされています。
ところで武藤山治さんて誰？
そう思われていらっしゃるかも・・・
１８６７（慶応３）年に
尾張国（現在の愛知県）に生まれた武藤氏は
慶応義塾本科卒業後
出版業、アメリカ留学などを経て
１８９４（明治２７）年から延べ３４年間
『鐘紡』の経営に携わった人物です。
業績が悪化していた同社を立て直した
『鐘紡中興の祖』と言われています。
また
社長在任中の
１９２４（大正１３）年～１９３２（昭和７）年まで
衆議院議員を務め
政治家としても活躍しました。
１９３２（昭和７）年に鐘紡社長を辞任し後
当時の５大新聞の一つであった
『時事新報社』に入社し
政界と財界の癒着・暗躍を
次々とスクープしました。
このため
常に権力者から付け狙われ
１９３４（昭和９）年３月９日に
神奈川県北鎌倉の自宅付近で狙撃され
翌１０日に死去しました。
武藤氏逝去後の１９３７（昭和１２）年
この建物はご遺族より鐘淵紡績に寄贈され
『鐘紡舞子倶楽部』として
従業員の厚生施設になりました。
１９９５（平成７）年
明石海峡大橋建設に伴う
国道２号線の拡張工事のため
和館は取り壊され
洋館だけが垂水区内の別の場所に移設されました。
２００７（平成１９）年
所有者であるカネボウから
建物、家具、絵画、調度品、蔵書などの
寄贈を受けた兵庫県は
舞子公園へ移築・修復し
２０１０（平成２２）年から一般公開を開始しました。
洋館の手前にある管理棟は
和館とともに取り壊された
ビリヤードルームの外観を復元したものです。
管理棟の廊下を通り
洋館の入口を入ると
エントランスホールになります。
エントランスホールを囲むように
食堂、広間、応接室、階段が配置されています。
こちらは食堂
当時の食卓が再現されていました。
建造材の大部分や外装材の一部は
新材で再現されていますが
建具や内装の仕上げ材は
建築当初のものが使われています。
カボードや暖炉などは
阪神大震災の時には
解体・保管中で被災を免れ
当時のものがそのまま使われています。
大理石の暖炉。
食堂に続く広間では
ミニコンサートが行われていました。
広くはありませんが
とてもお洒落な応接室。
２脚のパイプ椅子は
ミニコンサートの演奏者用です
・・・ちょっと邪魔ですね。
階段の下には
ステインドグラスが
・・・こちらも建築当時のものです。
２階に上がると
まず貴賓室があります。
一見シンプルに見えますが
椅子、テーブル、ドレッサーなど
贅を尽くした素晴らしいものです。
２階の広間は
ホームパーティーや
鐘紡の重役会議などに使われたそうです。
２階広間からは
円形バルコニーに出ることができます。
天気が良ければ
関空方面をくっきりと見ることができますが
生憎とこの日は曇りで
ぼんやりとしか見えませんでした。
武藤氏の書斎
蔵書がどのようなものか
興味がありましたが
残念ながらこれ以上は立入禁止。
建物の外に出て
庭から眺めると
その美しさに改めて嘆息します。
１階のベランダでは
野外コンサートが行われることもあるそうです。
洋館と明石海峡大橋を望みながら
素晴らしい音楽を楽しむ
・・・次回はぜひ行きたいと思います。
最後に裏側から見た構図
・・・実際にはこちらが表のようですが。
さほど来場者が多くなかったので
ゆっくりと見学できました。
兵庫県神戸市垂水区東舞子町２０５１
０７８－７８５－８６１０
100:00-17:00
月曜日休館
入館料 大人１００円 ７０歳以上５０円 高校生以下無料
次回は、本日１５：００にオンストリート編。過去の旅などで脳裡に焼き付いている街角の光景をご紹介します。テーマは、台湾台北市です。