スピンオフ編~東京都港区高輪・歴史的建造物の現役消防署『高輪消防署二本榎出張所』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

全国各地のビーフカツを紹介している超変人の超マニアックなブログです。最近は国内、韓国、中国などのB級グルメについても書いています。

ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。今日は、東京都港区高輪の『高輪消防署二本榎出張所』をテーマにします。

 

 

最寄駅は

都営地下鉄浅草線

『泉岳寺』または『高輪台』。

 

どちらの駅からも

徒歩10分程度ですが

坂道を上るのが苦手な方は

往路は高輪台

復路は泉岳寺がよろしいかと。

 

 

私は

坂道上るの大好きなので

泉岳寺から。

 

立派な石垣挟まれた

『桂坂』を上ります。

 

ちなみに

右側の石垣の中は

野村証券の研修センター

左側は東芝の迎賓館です。

 

 

桂坂を上り切ったあたりに

周囲とは少し趣の異なる

洋風の建物が目に入ります。

 

こちらが

『高輪消防署二本榎出張所』

現役の消防署です。

 

 

1908(明治41)年に

内務省警視局消防本署

第二消防署二本榎出張所として開設されました。

 

現在の庁舎は

1933(昭和8)年に落成したもので

それと同時に高輪消防署に昇格しましたが

その後紆余曲折の数奇な運命を辿って来ました

 

第二次世界大戦後は

GHQ(連合国総司令部)の勧告により

出張所に降格・・・理由不明。

 

1951(昭和26)年には

再び消防署に昇格しましたが

1984(昭和59)年

高輪消防署本署の白金移転に伴い

またまた出張所となりました。

 

ドイツ表現主義の流れを汲む

美しいフォルムの建物ですが

美的感覚が無く経済最重視の

某電力会社などが電線を張り巡らせ

せっかくの景観を台無しにしています。

 

 

鉄筋コンクリート造り

地上3階

延べ面積598㎡。

 

1階の腰壁は花崗岩の切り出し積み

ひさしや窓台は

左官洗い出し仕上げになっています。

 

 

御影石と木製の扉の玄関は

90年近い歴史を感じる

重厚な造りになっています。

 

 

3階の上に建つ望楼は

火の見櫓で

クリーム色の磁気タイルで覆われています。

 

 

望楼の頭頂部に設置されたシンボルタワーは

1984(昭和59)年に

東京都の文化デザイン事業を踏まえ

東京芸術大学前野教授の設計により

設けられたものです。

 

私個人的には

要らんことをしてくれたな

そんな感想です。

 

 

現役の消防署ですが

1階の受付でお願いすれば

庁舎内を見学することができます。

 

見学時間は

9時から16時半の随時で

係の方にご案内頂けます。

 

まずは

急な階段を上がって3階へ。

 

階段には刺股が・・・

警察官が犯人逮捕などの時に

使用することがある道具ですが

江戸時代には町火消が

延焼中の家屋を引き倒して

防火帯とするための

破壊道具として使っていました。

 

消防署の地図記号は

刺股を図案化したものです。

 

 

3階へは

螺旋状の階段が続きます。

 

 

円形講堂として作られた3階は

8本の梁が中心に集まり

10個の窓部アーチと一体になった

独特のデザインで

ドイツ表現派の特徴である

曲線や曲面をモチーフにした

躍動感のあるものです。

 

現在は

出張所の歴史や消防にかかわる器具などが

多数展示されています。

 

 

丸太はしご

 

大正時代から昭和初期にかけ

消防車に積載され

火災現場で使用されていたそうです。

 

 

刺子半纏

 

江戸時代から使われだした

防火被服の代表。

 

吸水性に富んでおり

火事場に赴くときには

頭から水を被って行きます。

 

しかし

水を含んだ刺子は

相当な重さになり

迅速に活動することは

できなかったようです。

 

こちらに展示されているものは

大正時代頃に作られたとのことです。

 

 

龍吐水(りゅうどすい)

 

江戸時代から明治初期にかけて

盛んに使われた放水ポンプで

放水する様が龍が水を吐くように見えることから

龍吐水と名付けられたそうです。

 

放水距離は2~3m程度しかなく

大火にはほとんど役に立たなかったそうです。

 

こちらの龍吐水は

近隣の東禅寺が

自衛用消火器具として使っていたもので

1985(昭和60)年に

高輪消防署に寄贈されたものです。

 

 

手榴弾消火器

 

火元に投げ入れると

球が破裂し

中の消火剤が散布される仕組み。

 

現在の消火器の

ルーツと言えるもので

初期の消火活動に使用されていました。

 

 

半鐘

 

火の見櫓に設けられていたもので

この鐘をたたいて

署員に火災発生を知らせるとともに

近隣の住民にも注意を呼び掛けました。

 

鐘をたたく際に

火災が近い場合、遠い場合

火災警報が発令された場合などにより

たたき方が違ったそうです。

 

 

ケースに収められた家屋の模型は

現在の庁舎ができる前の

初代庁舎です。

 

 

こちらの写真は

お向かいの高輪警察署の旧庁舎。

 

二本榎出張所庁舎と対をなし

『海原を行く軍艦』と評されていました。

 

 

高輪警察署の旧庁舎は

老朽化のため取り壊され

現在ではこんな建物に。

 

 

望楼への階段

 

階段、望楼ともに老朽化し

危険になったことから

署員の方々も立ち入り禁止になっているとのこと。

 

 

1階の車庫には

消防車が2台。

 

奥のものは現役ですが

手前は1941(昭和16)年に

日産自動車が製造したもので

20年間現役で活躍したが

現在は見学者用に展示されています。

 

 

車庫の前の裏庭に出ると

庁舎の後ろ姿を

きれいに見ることができます。

 

正面の姿も

あの憎き電線が無ければ

これ以上の美しさになっている筈です。

 

 

東京都の歴史的建造物にも選定されている

高輪消防署二本榎出張所

一見の価値はあります。

 

高輪消防署二本榎出張所

東京都港区高輪2-6-17

03-3473-0119

内部見学時間 9:00-16:30

※消防出動などにより見学できない場合もあります

 

次回は、本日15:00にオンストリート編。過去の旅などで脳裡に焼き付いている街角の光景をご紹介します。テーマは、東京都中央区日本橋久松町です