スピンオフ編~中国広州市・清代の貿易の歴史が学べる『廣州十三行博物館』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。今日は、中国広東省広州市の『廣州十三行博物館』をテーマにします。

 

 

広州市は

香港の北約200㎞に位置し

広東省の省都。

 

華南最大の都市で

市区人口は約1100万人。

 

清代半ばの1757年に

西欧諸国に開港され

アヘン戦争の敗戦により

天津などの都市が開港されるまでは

100年近くに渡り

清国唯一の対外貿易港でした。

 

市の中心を流れる『珠江』の両岸には

往時の隆盛を物語る

洋館や街並みが残っています。

 

 

『廣州十三行博物館』の最寄駅は

地下鉄6号線の『文化公園』。

 

 

駅の目の前には

駅名にもなっている

『広州文化公園』があります。

 

 

廣州十三行博物館は

文化公園の中にあり

『広州十三行』を中心とする

清代の貿易の歴史が学べる博物館です。

 

広州十三行は

清代の広州において

外国貿易を独占した

商人団の通称ですが

必ずしも13人ということではなく

数十人いました。

 

その中でも有力な13人が

珠江の店舗や倉庫を所有していたことから

一般的に十三行と呼ばれるようになりました。

 


エントランスホールには

清代の広州港が壁画で描かれ

その奥には船の模型などが展示されています。

 

 

展示品でまず目を引くのは

19世紀半ばに作られた

カラフルな陶器など。

 

芸術的な価値は

私には皆目見当がつきませんが

いずれも西欧人が好みそうな

オリエンタル趣味です。

 

こちらは光緒帝の時代のものですが

作者は不明です。

 

 

こちらは

道光帝の時代の対の壺。

 

 

こちらも

道光帝の時代に

貝殻と象牙で作られた扇。

 

 

美術品には知識のない私が

この博物館を訪れた理由は

十三行の店舗の再現や

当時の広州の街の風景画を見ること。

 

十三行は

主として茶葉、絹織物、美術品などを

西欧諸国に売り

彼らからアヘンを買うことを

生業にしていました。

 

こちらは

輸出品のメインである

茶葉を扱う商人の店舗。

 

 

こちらは

絹布を扱う商人

右側にある棚に

色とりどりの布が置かれています。

 

 

次は

私のメインイベント

広州の街の風景へ。

 

まずはジオラマ

手間の小さな島は

外国人の居留地であった『沙面』です。

 

人工の島で

長崎の出島と同じような

役割を果たしていました。

 

 

こちらが沙面

洋館が立ち並び

ユニオンジャックとトリコロールが

翩翻と翻っています。

 

 

沙面の対岸には

十三行の主要メンバーの

店舗や倉庫がありました。

 

 

同文街という通りの入り口

門の左側には中国風の建物

右側には洋館

外国貿易の拠点らしい光景です。

 

 

同文街は

十三行の多くが集まったところで

西欧人からは

New China Streetと呼ばれていたそうです。

 

華洋折衷の街並みと

そこを行き交う苦力たちとの

不思議かつ魅力的なコントラスト。

 

現在のどの辺りかは不明ですが

外国人居留地であった

沙面の対岸であることは

間違いありません。

 

 

広州の南の玄関口であった『虎門』

珠江の下流に位置し

林則徐が西欧からの攻撃に備え

虎門砲台を整備したところです。

 

アヘン戦争の時には

この地において

広東水師提督であった関天培が

イギリス軍との間に激戦を繰り広げ

大敗しました。

 

 

『粤海関』~広州税関

アヘン戦争により

広州はほぼ自由港化し

税関は本来の役割である

関税の徴収ではなく

官吏が賄賂を受け取る場と

化してしまいました。

 

 

広州十三行の

利益重視で屈辱的な

対外交易には

批判も多々ありますが

西欧の文化を取り入れ

閉鎖的な中国に刺激を与えたのは

間違いありません。

 

博物館から2㎞ほど北西にある

荔湾公園内の『十三行資料陳列館』を

合わせて見学すると

より分かりやすいと思います。

 

廣州十三行博物館

中華人民共和国広東省広州市

荔湾区西堤二馬路37号 文化公園内

9:00-17:00

月曜日休み

無料

 

次回は、本日15:00にオンストリート編。過去の旅などで脳裡に焼き付いている街角の光景をご紹介します。テーマは、北海道函館市です