スピンオフ編~中国黒龍江省ハルビン市・世界遺産になるの(?)『侵華日軍第七三一部隊遺址』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。今日は、中国黒龍江省ハルビン市の『侵華日軍第七三一部隊遺址』をテーマにします。

 

 

ハルビン市は黒龍江省の省都

都市部人口は約590万人

中国最北端の大都市です。

 

19世紀後半から20世紀初頭にかけ

ロシア帝国が都市の整備、開拓を行ったため

市内には現在でも

教会などロシア風の建物が

多く残っています。

 

 

1932年に

日本の傀儡国家である

『満州国』が誕生すると

ハルビンは満州国の領土とされ

日本人の居住も飛躍的に増えました。

 

同時に

日本軍の進駐も本格的に始まり

『関東軍』の名の下に

基地や各種施設が建設されました。

 

今回ご紹介する

『侵華日軍七三一部隊遺址』は

関東軍の特殊部隊の

『七三一部隊』の行状を一般公開する施設で

2015年に開館しました。

 

 

ハルビン市の中心部から南に約20㎞

路線バスで1時間程の処にあります。

 

近代的な美術館のような建物は

『侵華日軍第七三一部隊罪証陳列館』で

日本人にはちょっと頭が痛くなるような

展示が行われています。

 

 

第七三一部隊(以下、731部隊)は

陸軍軍医学校防疫部に開設された

防疫研究所から派生した部隊で

正式名称は『関東軍防疫給水部本部』。

 

731部隊はその秘匿名称

『満州第七三一部隊』の略で

初代部隊長であった石井四郎の名前から

『石井部隊』と呼ばれることもありました。

 

 

731部隊の主な任務は

兵士の感染症予防や

そのための衛生的な給水体制の研究でしたが

同時に細菌戦争に使用する

生物兵器の研究・開発機関でもありました。

 

館内には

731部隊が使用した器具や機器が

多数展示されています。

 

 

細菌兵器の開発に際しては

『マルタ』と名付けられた

中国人やロシア人が人体実験のため虐殺され

開所の1940(昭和15)年から

終戦の1945(昭和20)年までの5年間で

その数は3000人にも上ったと言われています。

 

 

館内には

ショッキングな展示が

まだまだありますが

それはさておき

外に出ます。

 

731部隊の建物の多くは

隠蔽工作のため

終戦直前に関東軍により破壊されましたが

本部の旧館は原型を留めており

一般に公開されています。

 

 

玄関を入ると

如何にも日本の役所と言った感じの

階段があります。

 

 

こちらは部隊長室

広さはありますが

呆れるほど質素な部屋です。

 

 

こちらは

毒ガス実験棟

人体実験が行われた建物です。

 

私が訪れた時は

修復工事中でした。

 

 

毒ガスの貯蔵庫

ボンベに詰められた毒ガスとは言え

なんか無防備な感じもします。

 

 

動力班ボイラー棟の残骸

関東軍が敗走の際に

破壊したものです。

 

 

ボイラー棟の残骸の前では

発掘作業が行われていました。

 

 

731部隊の跡地は

2006年に

全国重点文物保護単位に指定され

・・・日本の重要文化財に相当・・・

2012年には

ユネスコの世界遺産候補名簿に登録されています。

 

発掘作業は

世界遺産申請に向けた

遺蹟の整備の一環として行われているものです。

 

 

3週間にわたり

中国東方地方を旅し

関東軍の悪行の数々に触れ

戦争の愚かさを痛く感じました。

 

とは言うものの

731部隊の遺跡が

世界遺産に登録されるとなると

一日本人として

やはり複雑な心境になりますね。

 

侵華日軍第七三一部隊遺址

中華人民共和国黒龍江省ハルビン市平房区新疆大街47号

86-451-8710873

9:00-16:30

月曜日休館

入場無料

 

次回は、本日15:00にオンストリート編。過去の旅などで脳裡に焼き付いている街角の光景をご紹介します。テーマは、神奈川県横浜市です。