スピンオフ編~東京都荒川区南千住・日本の羊毛工業発祥の地『旧千住製絨所煉瓦塀』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。今日は、東京都荒川区南千住の『旧千住製絨所煉瓦塀』をテーマにします。

 

 

『千住製絨所』は

1879(明治12)年に創業を開始した

明治新政府による

官営の被服生地工場でした。

 

明治維新以降

新政府の軍服や官服は

輸入により賄われていました。

 

政府は

外貨の減少を抑えるため

被服の国産化が必要と考え

1875(明治8)年に

千葉県に牧羊場を設け羊毛の生産を開始し

その4年後に千住製絨所を開設しました。

 

 

工場は

第二次世界大戦敗戦後

1945(昭和20)年)に

民間の『大和毛織』に売却されましたが

業績不振により

1961(昭和36)年に創業を停止となり閉鎖

80年余の歴史に幕を閉じました。

 

工場跡地には長らく煉瓦塀が残っていましたが

1990代~2000年代にかけ

その大半が撤去され

2か所のみで一部が

保存されているだけになっています。

 

今回は

その2か所の煉瓦塀をご紹介します。

 

最寄駅は

JR常磐線、東京メトロ日比谷線、つくばエクスプレスの

『南千住』。

 

 

駅西口から

通称『コツ通り』を西に向かい

『日光街道(国道4号線)』越えます。

 

駅から10分ほどで

『荒川工業高校東』の信号に至りますと

左側にスーパーマーケットがあります。

 

その脇の道に

1か所目の煉瓦塀があります。

 

 

この辺りが

『千住製絨所』発祥の地。

 

煉瓦塀は

荒川区の登録有形文化財になっています。

 

現存する塀の長さは

北側(手前)9.9m、南側(奥)8.4mとなっています。

 

 

工場敷地の東側を取り囲んでいた塀で

北側の塀の端には

正門の袖柱の一部が残っています。

 

 

北側の壁の間に設置された石は

塀を保護するために設けられた

車止めの跡です。

 

 

塀の裏側には

スーパーマーケットの駐輪場

折角の文化遺産に

傷が付かないかちょっと心配です。

 

 

スーパーマーケットの脇の道を進み

次の四つ角を右に曲がると

『荒川区総合スポーツセンター』があります。

 

こちらも千住製絨所があった場所ですが

閉鎖後の1962(昭和37)年~72(昭和47)年の10年間

『大毎オリオンズ(現、千葉ロッテマリーンズ)』のホームグラウンド

『東京スタジアム』がありました。

 

現在は

野球場として一般に開放されていますが

その外側には

何やら像やモニュメントがあります。

 

 

像は

千住製絨所の設立及び復興の要となり

志半ばにして帰らぬ人となった

旧長州藩士『井上省三』です。

 

 

台座には

ウール工場を象徴し

羊が施されています。

 

 

像の隣にある

工場のラインを模したようなものは

『日本羊毛工業発祥の地』を示す

モニュメントです。

 

 

こちらからさらに直進すると

2か所目の煉瓦塀が現れます。

 

塀に囲まれているのは

千住製絨所跡地に開校した

『都立荒川工業高校』。

 

学校建設に際し

煉瓦塀の大半が撤去されましたが

校舎の西側部分にあったものは

保存されることになりました。

 

しかし

何となく違和感があります。

 

 

中ほどに至って

謎が解けました。

 

左右で明らかに違います。

 

左側は往時のものと思われますが

右側は再現したもののようです。

 

でも

古い物を残そうという考え方には

敬意を表します。

 

 

新旧の境目から

100mほど昔の煉瓦塀が続きます。

 

途中に見える

白い部分がちょっと気になります。

 

 

所々に破損した箇所があります

・・・凹んでいますので

自動車が突っ込んだのでしょうか?

 

本来なら煉瓦で補修したかったのでしょうが

この状態ではセメントでも仕方ないですね。

 

 

経年変化で劣化したり

亀裂が生じている個所は

金具で補強されています。

 

 

 

先ほど気になった白い部分

何かの搬出口だったのでしょうか?

 

後になって

何故ブロックで埋めたのか不明ですが

これは頂けませんね。

 

 

その先には

学校の裏門だったと思われる個所があり

こちらもブロックで塞がれています。

 

 

煉瓦塀を見て

何が面白いのと指摘されると

返答に窮しますが

南千住にあった

日本初の羊毛工場に思いを馳せると

感慨深いものがあります。

 

旧千住製絨所煉瓦塀

東京都荒川区南千住6丁目

 

次回は、本日15:00にオンストリート編。過去の旅などで脳裡に焼き付いている街角の光景をご紹介します。テーマは、ロシア・サンクトペテルブルク市です。