ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。今日は、中国天津市の『慶王府』をテーマにします。
天津は
首都北京に隣接する直轄市
都市部の人口は５０６万人。
北京の外港であり
国際都市として栄えてきました。
しかし
その裏側には
西洋列強や日本に蹂躙された
悲しい歴史も秘められています。
こちらはかつての日本租界
清国内にありながら
清国の法律が適用されない
治外法権の場でした。
今回ご紹介する『慶王府』の最寄駅は
地下鉄１号線の『小白楼』。
余談
中国で最初に地下鉄が運行されたのは
首都北京ですが
２番目に開業したのはどこでしょう？
殆どの方が上海と答えますが
残念ながら間違いです。
上海の地下鉄は１９９３年開業ですが
天津ではその１０年近く前の１９８４年に
たった７㎞ほどですが
地下鉄が走り始めています。
ただし
設備の老朽化などから
２００１年に営業を一時停止し
再度開業したのは２００６年でした。
閑話休題
小白楼駅から徒歩５分程のところに
『五大道』という地区があります。
１９世紀後半から２０世紀初頭にかけ
イギリス租界だった場所で
西洋人の居留地でしたが
やがて清の高官や著名人も
居を構えるようになりました。
現在では
天津観光のハイライトの
一つになっています。
五大道のメインストリート『重慶道』に
ひと際異彩を放つ
白亜の建物があります。
ここが『慶王府』。
１９２２年に
清朝の宦官『小徳張』が建てた建物ですが
１９２６年に天津に居を移した
清王朝の慶親王『戴振』が買い取ったことから
『慶王府』と呼ばれています。
ちなみに
創建者の小徳張は
浅田次郎の『蒼穹の昴』の主人公
『李春雲＝春児（チュンル）』のモデルと言われています
・・・実際には春児とは似ても似つかぬワルだったようですが。
現在は
ホテル、レストランなどになっていますが
中央にある洋館が
博物館として一般公開されています。
コロニアル様式の玄関
１００年経った今も
荘厳な雰囲気を醸し出しています。
豪華なシャンデリアが
燦然と輝く玄関ホール
全体的には洋風ですが
所々に中国色が漂っています。
『契蘭』と名付けられたこの部屋は
慶王府の食堂。
慶親王戴振は
ここで毎晩９時に家族とともに
夕食を摂っていたそうです。
出窓に施された
ステインドグラスも
中国風のデザインです。
『承蔭』と名付けられたこの部屋は客間
慶親王戴振は
左奥に見える蓄音機で
お気に入りの京劇のレコードを再生し
客をもてなしたとのことです。
２階へ続く階段も
趣きがあります。
『来有余』と名付けられてこの部屋は
慶親王戴振の書斎兼寝室。
彼の子供たちや召使たちは
許可なくこの部屋に立ち入ることを
禁じられていました。
建物の中央部は
アトリウムになっています。
中央に吊られたシャンデリアは
豪華絢爛
慶親王戴振の権勢を
象徴しているようです。
２階の屋外には
コロニアル調のコリドーが巡らされ
階下の庭を望むことができます。
眼下には
洋風の建物とは裏腹に
中国風の庭園が広がっています。
庭園に面した別棟には
洋食レストラン
『Ｂｉｓｔｒｏ Ｃｈｏｎｅｔ』があります。
慶王府内には
美術品や装飾品など
数多く展示されていますが
美術音痴の私にはチンプンカンプンですので
この記事では割愛しました。
慶王府
中華人民共和国天津市和平区重慶道５５号
86-22-87135555
9:00-17:00
月曜日休館
参観料 ３０元／人
次回は、本日１５：００にオンストリート編。旅をした国々や日本の街角の光景をご紹介します。テーマは、メキシコ・メキシコ
市です。