ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。今日は、中国福州市の『林則徐の故郷』をテーマにします。
林則徐は
中国清朝時代の官僚であり政治家
１７８５年に現在の福建省福州市で生まれました。
今日は
林則徐の故郷である
福州市に残る
彼の足跡をご紹介します。
まずは
市の中心部にある
『林則徐記念館』へ。
１９０５年に
彼の功績を称え祠堂として創建されましたが
現在では一般公開され
遺品や貴重な文献が展示されています。
林則徐は
様々な分野で活躍しましたが
特に知られているのは
阿片の根絶への取り組みです。
当時中国では
イギリスの東インド会社が持ち込む阿片が
大きな社会問題になっていました。
このため清の道光帝は１８３７年
林則徐を阿片禁輸の欽差大臣に任命し
阿片撲滅に取り掛かりました。
翌１８３９年
林則徐は広東において
イギリス商人が持っている
阿片を全て没収し、処分しました。
これに怒ったイギリスは
林則徐に抗議し
最終的には制裁措置として
阿片戦争を引き起こしました。
イギリス商人を支援するために派遣された
イギリス東洋艦隊は
広東ではなく
首都北京の外港である天津に現れました。
間近に艦隊を迎えた清の上層部は
大いに狼狽
林則徐を解任し
イギリスの意に従うことに必死になりました。
この結果
不平等な『南京条約』が締結され
中国における西欧列強の専横が始まりました。
難しい話はここまでにし
福州における林則徐の足跡を
辿ることにします。
林則徐を祀る祠堂の前には
立派なガジュマルが。
林則徐の足跡とは
あまり関係ありませんが
ガジュマルってすごいですね。
『林則徐の愛国主義精神は永遠に不朽』
第５代国家主席の
江沢民の自筆です。
清朝からは必ずしも正当な評価を
受けていなかった林則徐ですが
常に清廉潔白で
左遷されても国家のことを考え続けた
彼の姿は後世の人間から深く敬愛され
現代中国でも英雄の一人として
人気があります。
中庭の片隅に
不思議なものを見つけました。
『漱石』と書かれた石
夏目漱石のペンネームとなった単語です。
本来の意味は
自分の失敗を認めず
屁理屈を並べて言い逃れすること
～転じて、負け惜しみの強いこと。
林則徐の生き方には
およそそぐわない二文字です
・・・何故ここにあるのかは不明です。
館内には
阿片に関する展示が
いくつかあります。
こちらは
イギリス商人が阿片輸出につかっていた
木箱です。
阿片吸引用のパイプ
立派な装飾が施されていますので
それなりの身分の人間の物だったのでしょう。
阿片の販売と喫煙がなされた
阿片窟の写真もあります
・・・服装からすると庶民用の阿片窟のようです。
どう見ても子供のようです
未成年者の喫煙より
さらに深刻な問題ですね。
林則徐記念館を出て
北東に５００ｍほど行くと
彼の生家が残っています。
父が貧しい教師生活を送っていたため
意外に質素な家屋です
・・・私の家よりは何倍も大きいのですが・・・。
リニューアルされているとは言え
結構立派な佇まいです
貧しいとはいえ名家
それなりの風格はあります。
これは後付けですが
林則徐の立像
２ｍ位あります。
記念館の近くには
福州観光のハイライトでもある
『三坊七巷』というスポットがあります。
その一角に
『林則徐母家故居』が。
お母さんの実家ですが
非公開です。
いまだに民族英雄として
称えられている林則徐ですが
日本ではほとんど無名の存在。
しかし
福州で彼の促成を辿ると
無知な私にも
如何に林則徐が偉大であったか
手に取るように分かりました。
林則徐記念館
中華人民共和国福建省福州市鼓楼区澳門路１６号
86-591-87568854
8:30-18:30
年中無休
入場無料
林則徐出生地
中華人民共和国福建省福州市鼓楼区中山路１９号
8:00-17:00
年中無休
次回は、本日１５：００にオンストリート編。旅をした国々の街角の光景をご紹介します。テーマは、群馬県高崎市です。