スピンオフ編~中国東北地方・満鉄が経営していた高級ブランドホテル『ヤマトホテル』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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全国各地のビーフカツを紹介している超変人の超マニアックなブログです。最近は国内、韓国、中国などのB級グルメについても書いています。

ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編、ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットをご紹介します。今日は、中国東北地方の旧『ヤマトホテル』です。

 

中国東北地方とは

遼寧省、吉林省、黒龍江省を指し

かつてそこには

五族協和、王道楽土の理念の下に建国された

大日本帝国の傀儡政権である

『満州国』が存在していました。

 

満洲国経済の一翼を担っていたのは

日本の国策会社である

『南満州鉄道株式会社』

通称、満鉄です。

 

こちらは

満鉄最南端の駅

遼寧省の『旅順』駅です。

 

 

満鉄は

鉄道経営に留まることなく

炭鉱開発、製鉄業、ホテルなど

多用な事業を行っていました。

 

今回ご紹介するのは

満鉄が沿線主要都市で経営していた

高級ブランドホテルの

『ヤマトホテル』です。

 

ヤマトホテル設立の背景を語ると

政治的な話が多くなりますので

割愛します。

 

本店は

満鉄の本社があった大連。

 

1907(明治40)年に

旧ダーリニーホテルを改装して開業。

 

中山広場に面した

現在の建物は

1914(大正3)年に竣工した

新館です。

 

 

欧風の重厚なファサードは

結婚アルバム用の撮影場所として

中国の若者たちに人気があります。

 

 

中華人民共和国に返還後も

『大連賓館』の名の下に

ホテルとして存続していましたが

今年8月に訪れた時には

休業状態でした。

 

 

昔の面影を残す廊下にも

宿泊客の気配はありませんでした。

 

 

二階にある

かつてのメインバーだけが

ひっそりと営業。

 

入口周辺には

雑然と物が置かれ

チープな感じです。

 

 

壁には所狭しと

昔の大連の写真が飾られ

重厚感を損ねています。

 

 

食事をしたかったのですが

飲み物とケーキしかないとのこと。

 

しかたなく

全桔梅水果茶と

烤芝士蛋糕を注文。

 

甘酸っぱい梅のジュースと

ティラミス

ティラミスは購入品のようです。

 

 

満洲国の首都は新京

現在の長春です。

 

新京ヤマトホテルは

新京駅(現長春駅)前に新築され

1910(明治43)年に

本格的な営業が始まりました。

 

現在も

『春誼賓館』というホテルです。

 

 

エントランスホールは

大連ヤマトホテルと比べると

軽い感じです。

 

 

こちらの棟は宿泊専用で

レストランは新築の新館にあります。

 

規模は大きくありませんが

高級感に溢れています。

 

 

こちらでは

食事にありつけました。

 

打包飯

じゃが芋入りの土鍋ご飯

醤油味で美味しかったです。

 

 

満洲国最大の都市は奉天

現在の瀋陽市です。

 

奉天ヤマトホテルは

1910(明治43)年に

奉天駅に併設して開業しました。

 

中山広場に面した現在の建物は

1929(昭和4)年に新館として開業したもので

現在は『遼寧賓館』というホテルです。

 

 

エントランスホールは

シンプルですが

格式の高さが醸し出されています。

 

 

レストランにはステージが併設され

李香蘭(故山口淑子議員)も

ここで歌ったそうです。

 

 

こちらで頂いたのは

酸菜餡餡餅

酸味の効いた野菜と肉が入った

おやきのようなものです。

 

 

最北にあったのは

ハルビンヤマトホテル。

 

1903(明治36)年に

ロシアが建てたホテルを

1935(昭和10)年に満鉄が買収し

1937(昭和12)年に開業したもの。

 

現在は

『龍門貴賓楼酒店』というホテルです。

 

 

二階客室に続く

重厚な階段の先には

ステインドグラスが輝いています。

 

 

エントランスホールから

左手に続くフロアには

大小のバンケットルームが。

 

 

レストランは

この廊下の一番奥にあります。

 

西洋風の客席ですが

中華料理もあります。

 

 

ここではやはり

西洋料理

ステーキを頂きました。

 

焼き加減は聞いてくれません

出て来たのはミディアム

ブラックペッパーが効いて美味

しかも58元(1000円弱)という安さ。

 

 

最後は

旅順ヤマトホテル。

 

ロシアが建設中だったホテルを接収し

改修した後

1908(明治41)に開業。

 

戦後は

人民解放軍の招待所として

使用されていましたが

現在は閉鎖されています。

 

昨秋も今夏も

この状態に変わりはなく

改修するのか取り壊すのかは

不明です。

 

 

満洲国における

帝国陸軍と満鉄の悪行を

容認するつもりはありません。

 

しかし

建物の素晴らしさには

感銘を受けます。

 

次回は、明日11月20日(火)に番外編。韓国ソウル市の餃子専門店『Jonny Dumpling』をテーマにします。