2024  0624   ヨコハマ 曇り🌥️


強い日差しではないみたいだけど、朝の時点で作業場の室内は30度に達しています。💦

熱中症に気を付けなくちゃね。


今日はカスタムネックの作業と O さんの CCR のボディに設定加工して行きます。

指板接合のショットはこのブログで皆さんにはよくお見せしてますよね。


そこそこたくさんのクランプで締め込んでネック本体と指板を密着接合している図ですね。

この写メでもお分かりの様に左右交互にクランプを配して圧を加えています。

皆さんは、その意味はお分かりでしょうか?


クランプは構造上、締め付けた場合に完全に垂直には圧は加わらない構造です。その多くは L 字シャフト側に引き寄せながら圧が加えられます。

ですから、左右交互ではなく、一方向からだけにクランプを配して圧を加えると必ず偏ってズレを生じながら圧が加わる為に接合物もズレて固定されます。


その偏りをクランプを交互に配することで、起こるズレ圧力を相殺させているのです。だから、指板接合の場合も圧の偏りを相殺する為に交互にクランプを配しているのです。


こうした話は技術的な話みたいに聞こえるかもしれませんが、人としての生き方にも参考になったりします。

要は、今回は指板接合に纏わる話ではありますが、物事、常にバランス良くする事が大切、と言うお話し。


ワタシは随分と長い間、この製作の仕事をして来ましたし、その間に世界的にも著名なプレイヤーさんとも接して来ましたので、彼らのプレイを動画とかではなくて、直にこの目で見て聴いて来ました。


その上で2000年以降、t.m.p を設立してからは一流プレイヤーさんでは無い一般の方々のプレイにも接する機会を持つようにもなりました。

そこでいつも感じることが、一流プレイヤーさん達は右手と左手のタイミングバランスが抜群だな、と言う事です。

弦を抑える手と弦を弾く、そのタイミングが抜群に良いからこそ、音が立つし音が抜けてるんです。


まーず、多くのギタリスト、ベーシストは、そこに微妙なズレがある為に音が立たず、抜けて来ないので、余分に力んでしまって、更にタイミングがズレてる様子ですね。


何故、ワタシがそう感じるか分かりますか?

それは、ワタシはアーティスト本人が使うことになるモデルを手掛ける機会が多かった為に、試作器からの本人によるサウンドチェックを行ってるワケです。


そうした試奏を元にして楽器の完成度を高めて行くワケですが、その試作器を別なプレイヤーさんが弾いたりもする事もあるワケで、そうした時の鳴り方の違いに驚く事が多いのです。

それは同じ楽器を弾いているとは思えない程の鳴りの違いがあるからです。

あの人が弾いた時には、あれ程抜けていたサウンドだったのに、この人が弾くと音が奥に引っ込んで聴こえて抜けて来ない。まるでミュートしながら弾いてる様だ、と感じる事が多かったですね。


逆に演奏キャリアはそんなに長く無いのに、この人は音抜けしてくるなぁ、と言う場合も。

言ってみれば人それぞれなんですが、早い話が左右の手のバランスがジャストじゃないと、音って抜けて来ないのです。


人と接していても、人の話しを良く聞く人と、人の話は聞かずに自分の言いたい事だけを言って来る人って居ますよね。人との関係バランスの良い人は、周囲の人とも良いバランスを構築出来てるのだと思います。


反対に不英不満の多い方は、そもそも人とのバランスに気遣うこともなく、ただ自分の思いだけで生きている方なのでは無いでしょうか?


仮にその状態を指板接合で言えば、左右にバランス良くクランプを配置出来ていない上に力任せにクランプを締め付けている為に失敗を自ら生み出しているのです。


そう、失敗の原因は自分が作り出しているからなのかも知れない、って事です。


ついでに、良い接着は強くクランプで締め付けるのではなく、木と木の繊維の中に接着剤が染み込んで互いを合体させるイメージの強さ加減でクランプする事が重要です。

何事にもバランスや良い加減、ってのが大切みたいですね。😃