2024  0404    ヨコハマ 曇り☁️


今日はハッキリしない天候みたいです。


本日は大阪の I さんの2010's製 の CCR のネックを最新のカスタムネックに交換作業を行っております。


バラしてからの現状寸法確認中


ご存知の通り、以前の t.m.p Custom はフェンダーのリプレイスメントネックから作り出してるケースが殆どで、ワタシ自身がネックを1から作成することは諸事情から控えておりました。

その点をぶっちゃけますと、ワタシが考案したCFS のパテントをフジゲンさんに譲渡した関係で、2020年に CFS のパテント有効期間が終了するまでは、ワタシ自らネックを製作することを控えて来た、と言う話しです。

とにかく製造販売権を譲渡した以上、同じ様なネックの製作は控えて来たと言うワケです。


で、現在はパテントは期限切れでフリーな状態ですから、ワタシ自らの製法(独自の強化ネック構造)でネックを作成している関係で、フェンダーのコピー仕様のネックであるリプレイスメントネックと t.m.p Custom ネックには幾つもの構造の差異が有る、と言うことです。

分かり易いのはまず、ネックヘッドは t.m.p の場合には、テンションピン無くしてテンションバランスが得られる、独自のスロープヘッド構造で有り、フレットは CFS と同じ様な効果が得られる CF フレット加工仕上げであり、内部のトラスロッドの仕込み設定も異なります。


左が t.m.p Custom     右がリプレイスメントネック


更には写真でもお分かり頂ける様にネックの端末厚みもフェンダー仕様とは異なります。

*ついでに、この写真でトラスロッドキャップの位置も大きく違うのがお分かり頂けると思います。


フェンダー仕様のトラスロッドの端末は水平に延びている為に低い位置にロッドキャップが在り、この部分は指板と水平で真っ直ぐですからロッドによるカーブ補正が効きませんが、 t.m.p 製はロッドの仕込みカーブが深い為にロッドの端末であるロッドキャップ手前もカーブしている為にキャップ位置が跳ね上がった延長位置に在るのです。

この設定により t.m.p のロッドは最も弦の張力負荷が架る14フレット以降に効力が出せるのですが、逆にフェンダー設定ではここが一番強度が弱いので指板面が曲がって凹む為に14フレット以降に弦のビリ付きが出易いのです。


だから、グルグルとトラスロッドを締め込まなくても、ネック自体に強さが有るので弦の張力に余裕で踏ん張ってくれるのです。

だから、フェンダー仕様のネックはトラスロッドを回してある程度締め込まないとネックは平に出来ませんが、t.m.p製の場合にはロッドを絞めなくてもネックは既に平なんです。

これが強度安定性に大きな差を生んでいるのです。


現在も t.m.p Custom へのネック交換要望が連続的に頂いてます。

同じ t.m.p 製であっても、元がリプレイスメントネックと、一品製作のカスタムネックでは確実に差が出ますので、こうしたネック交換要望が後を絶たないのです。