どうでもいい花し

どうでもいい花し

人に話すにはどうでもいいはなし。でも話したいんだよなぁ〜。そんなムズムズとした気持ちの解消のためのブログです。2019年5月そこはかとなくブログ再開。美術館日記でもつけようかな、と。

Amebaでブログを始めよう!
久しぶりに美術展へ行きました。
山梨県は身延にある切り絵の森美術館

です。
昨年(2019年)の7月に、小出蒐の作品展を見に訪れていたのですが、その時のことは記録しそびれたみたい。

切り絵の森美術館は、富士川クラフトパーク内にある小さな美術館です。
常設展のほかに企画展も定期開催されていて、「切り絵」をキーワードに様々な毛色の展覧会が企画されています。

さて、今期の企画展は
『ありがとう 関口コオ 遺作展』
と題された、故関口コオ氏の作品展です。


関口コオ氏の名にピンとこなくても、その作品を見れば、「あー!こういうのね!見たことある!」という人も多いはず。
わりとあちこちで触れていると思います。

(作品の写真撮影可能です)

こども(関口コオ作品に関しては わらべ と表現するのがこだわりみたいです)をモチーフに田舎風景や季節を切り取った作品が印象強いです。

とにかく、わらべの描き出し方がかわいらしい。
その表情や丸くデフォルメされた身体、太く硬質な主線で切り取られていながら、柔らかく優しい印象を受けます。
雄大な赤城山、のびやかな青空、幻灯のように彩る四季の花々、そして夕暮れのひととき。
すべてが優しく、温かな眼差しによって捉えられ、切り出されています。
積雪の中、風が吹き荒ぶ道を1人歩く少女の画でさえも、とても温かいのです。
悲劇などない世界。
わらべの純真と無垢が守られた世界なのです。


なんともいえない、優しい微笑を浮かべるお地蔵さん。このお地蔵さんこそが、切り絵作家関口コオの分身ではないかと、一緒に微笑まずにはいられませんでした。

生命感溢れる四季折々の作品も素敵でした。
個人的にはあじさいの画が気に入っています。


しかし一方で、妖しい女性像作品も手がけており、その表現の幅広さには驚かされました。
中でも、第1展示室に展示された「近松心中物語」はゾッとするほど美しかったです。


額縁の中に存在するのは真空のような無音の世界。生命の彩りを失ったモノクロームな冷たい世界です。
こちら側とあちら側の狭間でひらりと散る2片の赤い花弁。
いつまでも眺めていたいほど美しく、そして妖しい作品でした。


あじさいの画と「近松心中物語」は是非ポストカードで購入して帰りたかったのですが、残念ながらミュージアムショップにはなく、悔しい限り。
展示されていたひまわりの画と、展示はなかったけれど変わらず良い表情のお地蔵さんの画のポストカードを買いました。


機会がある限り、「近松心中物語」は何度でもみたいな。


企画展の会期は8/30まで。


今月は、のめり込むほど面白いと思う本は読めなかった。
けど、とりあえず記録📝

『武士の娘』
杉本エツ子著  大岩美代訳
「桜の花は美しく、しかも萎れることのない花でありました。ほんのそよ風にも、まだ香ばしい花弁を散らして、色美しい浮雲の眺めを添え、地面に散り敷いては、白とうす紅の桜貝の敷物にも似ていました。」


『嘘屋絵師 国芳必殺絵巻流し』村咲数馬
「涼雨は晩夏を惜しむ涙雨。いつの世も、人の嘆きと涙は絶えることなし。」
「縁は異なもの、乙なもの。男は度胸で、女は愛嬌。」
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿。男も女も合縁奇縁。」
書き出しの一行がいちいち格好良い。


『嘘屋絵師 鶴寿必殺狂歌送り』村咲数馬
↑のシリーズ2作目。
「藪蚊も喰わぬ酔っ払いの内輪揉め。三毛猫もまたぐは食通気どりの腹ぺこ野郎。いかにお大尽でも、喰い物の怨みは恐ろしい。」
「善と悪の間に架けられし人殺し橋。因果応報。善因善果。悪因悪果。渡るも地獄、渡らぬも地獄。」
やっぱり、書き出しの一行が格好いい。


『嘘屋絵師 金四郎必殺太刀返し』村咲数馬
3作目になってキャラ崩壊、ストーリーも尻切れトンボ。ちょいガッカリだった。


『コーヒーと恋愛』獅子文六
とりあえず、おいしいコーヒーが飲みたくなる。


『螢草』葉室麟


『とむらい屋颯太』梶よう子
図書館が予約貸し出しまで休止しちゃったので、
本棚の整理も兼ねて自宅の本を再読中。


『タイタンの妖女』カート・ヴォネガット
久しぶりに海外SF!
『ヒッチハイクガイド トゥ ザ ギャラクシー』に通じるくだらなさと面白さがある。
個人的には、『星を継ぐもの』と並ぶ好みの小説でした😆
作者は物理学者かしら…と調べてみたら、そうでもないようで🤔ふむ。

『「わたしは死にかけていない」とラムファードはいった。「ただ、この太陽系から去っていこうとしているだけだ。いや、それすらもしていない。壮大な、時間を超越した、時間等曲率漏斗ふうの見かたからすれば、わたしはつねにここにいることになる。わたしは、これまで存在したあらゆる場所に、これからも存在しつづけるだろう。
 わたしはいまでもきみと新婚旅行中なんだよ、ビアトリス。わたしはいまでもニューポートの邸の階段下にある小さな部屋で、きみと話しているんだよ、コンスタント君。そうーーそして水星の洞窟では、まだきみやボアズを相手にかくれんぼをやっている。』


『彼岸からの言葉』宮沢章夫
文章の魔術師、宮沢章夫さんのショートエッセイ集。
面白すぎて声出して笑ってしまった。
思えばこれが私の宮沢章夫さん初読書作品だった…。しりあがり寿さんの挿絵に惹かれて手にした本だったんだけどなぁ。
素晴らしい出会いでした🙏🏻✨

日常に重なるように存在する我々の「変なもの、奇妙な」感性、「彼岸」。
普段は隠れ共存するそれが、ふとした瞬間に表出する。
それは、慣れない人同士で集まった時だったり、憧れの人と対面したときや、病院の待ち合い室に訪れる奇妙な人々によってもたらされる。
この奇妙だけれどどこか人間的とも言える不可思議、可笑思議な現象を宮沢章夫さんが絶妙な文章センスで描写する。
読んだら、泣くほど笑うよ。(たぶん)

『修行の身の私のところへ、妻が嫁いで来たのは、秋も深まりこれから冬というある夕暮れのことだった。…略…
 ところで、修行の身にも拘らず、妻をめとるとは何ごとかという問題である。それを問題にするなら、私は修行の身でありながら、体重が平均より多い…略…煙草を一日六十本は吸う。中野総合病院にもよく行く。たいてい昼過ぎに起きる。そもそも、これといった修行など、全然しておらんよ、私は。』


『番付屋新次郎 世直し綴り』梶よう子
梶よう子さんの書き下ろしィ!🤤🤤
いまをときめく歌舞伎女形の中村香玉。に、クリソツの髪結男 新次郎が主役の捕物帳。(捕物かなぁ…これって分類はミステリー?)
イケメンにイケオンナ、訳ありの強メン侍、おキャンなオナゴとその兄貴。
少女漫画万歳🙌な登場人物設定に、少女漫画万歳🙌な読者サービス(?)展開もあり、エンターテイメントとしては最高な時代劇小説になってました。
梶よう子さんのこの手の物語を読むと、どうも私は木原敏江さんのタッチで脳内コミカライズしてしまうんだな。なんかね、ノリやキャラクター構成が似てる…気がする。(特に「御薬園同心 水上草介シリーズ」!)
これ、歌舞伎役者さん主役に据えて、ぜひドラマ化してほしい〜。香玉と新次郎は1人二役でよろしくです!


ほか、4月中に読んだもの
『されど私の可愛い檸檬』舞城王太郎
『あなたは私の瞳の林檎』舞城王太郎
(舞城王太郎の物語に共通する家族愛の表現が私は好きなんだよなぁ。『煙か土か食い物』もさ、ベースラインに家族愛あるよねぇ。そんでもって名作だとオモイマス。好きッ!あと『ディスコ探偵水曜日』。あれはタイトルと表紙絵でだいぶ損してると思う…けど…中身が好きッ!)
『お茶壺道中』梶よう子
『嘘の木』フランシス・ハーディング
『逆境を乗り越える技術』佐藤優×石川知裕