息子への想い | ひとりっこの両親在宅介護ブログ(施設入所後)

ひとりっこの両親在宅介護ブログ(施設入所後)

娘に迷惑をかけまいと、老老・認認介護で限界まで二人暮らしを頑張った両親。でも、遂に限界突破。仕方なく実家に戻ってきて始めた在宅介護。一人っ子のため否応なくやらざる負えない。
平成27年4月じーじは旅立ちました。令和2年1月末、ばーば特養入所しました。

近所のお婆さんが亡くなった。93歳だった。年齢だけみれば充分長生きで、大往生と言えるだろう。

去年の夏までは歩けていた。

暑い夏の日、ゴミ出しに朝早く家を出ると、近所の空き家になってる家の門の所に人影が見えた。

気になって近づくと、そのお婆さんがちょこんと座っていた。

パジャマで靴下のままだった。

家族が寝静まっている薄暗いうちに、家を勝手に出てきたんだろう。

私に気付くと、「息子に会いたい。連れてって。」と言った。

お婆さんは娘さんと二人暮らし。娘さんといっても、60代の方だ。
結婚に失敗し実家に戻ってきて以来、ずっと二人で暮らしていた。

息子さんは、たまたま同じ団地内の方と結婚し、少し離れたところに住んでいる。奥さんのお母さんと同居されていた。
ちょうどゴミ置き場の近くが、息子さんの家だったので、ゴミ捨てついでに寄ってみた。

「あの~、お母様がパジャマのままで家を出てきちゃってるみたいで、息子さんに会いたいとおっしゃってるんですが。」

インターホン越しに息子さんに伝えると、すぐに出てきてくれ、私と一緒にお婆さんが座ってるところまできてくれた。
そして、お婆さんを優しくおんぶして娘さんと暮らす家まで連れてってくれた。

おせっかいだとは思ったが、たとえ認知症でも「息子に会いたい」という願いを叶えてあげたかった。

おぼつかない足取りでも、息子に会いたい一心で歩いてここまできたんだ。

一緒に暮らして介護されている娘さんにとっては、迷惑極まりない話だけど。

母親にとっては、息子はそれほど愛おしい存在なんだなぁ、と思った出来事でした。


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