今は実家がこっちにあるが、彼にとっては高校まで生活した北関東が故郷なんだろう。
ここは実家というより、小さい頃から何度も来ていた「ばーばん家」だ。
ばーばも孫がいるとハイテンションだ。いつものぽけ~っとした感じはなく、頭がフル回転しているみたい。
しゃべる、しゃべる。本当に機関銃のよう。
話の辻褄もちゃんと合っている。
しかし、ばーばの呪いは娘だけでは飽き足らず、孫にまで向けられた。
長男と話していた内容は
「あんたは長男だで、親の面倒を最後まできちんとみないかん。」
「嫁さんは顔はどうでもいいで、まじめで良く働く子で、親を大事にする子でなきゃいかん。」
「金遣いの荒い女はもってのほかだ。」
というもの。
そして極め付けは
「あんたのお母さんみたいに、仕事もして家の事もちゃんとして、親の面倒もみる子を嫁さんにもらわなあかん。」
お褒めに預かり光栄ですが、私は運命だと思い、仕方なく今の生活をしているだけなんですけど。
ばーばは決して怒らない。
常に褒める。
でもねぇ、たまに会うだけの関係ならとってもいいんだけど、毎日一緒に暮らすと、褒め言葉の裏にある下心が見えちゃうんだよね。
ばーばの見栄と虚栄心を満たす為、勉強も頑張り、仕事も頑張り、介護も頑張ってきた。
ばーばが亡くなるまで、その呪縛が解かれる事はないだろう。
でも、私の息子たちにまで呪いをかけないでくれ。
こんな私にぽちっと応援を。