現実逃避 | ひとりっこの両親在宅介護ブログ(施設入所後)

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娘に迷惑をかけまいと、老老・認認介護で限界まで二人暮らしを頑張った両親。でも、遂に限界突破。仕方なく実家に戻ってきて始めた在宅介護。一人っ子のため否応なくやらざる負えない。
平成27年4月じーじは旅立ちました。令和2年1月末、ばーば特養入所しました。

昨日ばーばがトイレに行っている時、「姉さんはどこ行った?」
と、じーじが私に聞いてきた。

また記憶が昔に戻っているらしい。

じーじは早くに両親を亡くしていて、姉と妹と三人で暮らしていた。
じーじが「帰らないかん」という家は自分が建てて45年間も住んだ家ではなく、ばーばと二人で結婚以来暮らしていた市営住宅でもなく、兄弟三人で暮らしていた当時の家だ。

当時の暮らしと今が合致しているのだろう。
ばーばは姉さんで、私は妹だと思っている。
私の事は妹の名前で呼ぶ事も多い。

今目の前にいるばーばは、記憶の中のリウマチを患って身体が不自由だった姉さんで、いつも怒ってばかりいる私は、生意気だった妹なんだろう。

じーじの気持ちはわからないでもない。

自分の愛した細身の美しい妻と、可愛がって育てた「パパ大好き」と言っていた幼い娘はどこにもいない。

代わりにいるのは、歯が抜け足が不自由なおデブ婆さんと、目を吊り上げ怒鳴り散らすヒステリーおばさんだ。

認知症になるのは、訪れる死への恐怖を和らげるための、自己防御反応という説もある。

だとしたら、じーじの現実逃避は仕方ないのだろう。
せめてじーじの記憶が、辛かった戦時中に戻る事のないようにしたい。


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