街のあじさいが色付き始めましたね。
きっとおばあちゃんちのお庭のあじさいも、、、
おばあちゃんちのお庭には、あじさいが咲いていました。
あじさいは木!!
って思えるほど、それは立派な大きなあじさいで、
時にカエルが遊びにきたり、
時にヘビが休憩をしにきたり、
大きなあじさいは生き物たちを優しく包みこんでいました。
そんなあじさいを見ながら縁側で、
おばあちゃんはよくお手玉を作ってくれました。
着なくなった着物だったかな?
そんなような生地で、
色とりどりのお手玉を作ってくれました。
中に一握りのあずきをつめて。
おばあちゃんはお手玉がとても上手でした。
たった三つのお手玉が五つにも十にも見えて、
おばあちゃんのお手玉は手の上で優しく踊っていました。
そのお手玉のあずきの音がとても優しくて、
私はあずきの音が大好きでした。
おばあちゃんの笑顔の横であじさいは、
夏の香りを優しく告げて、
涼しげに光っていました。
あじさいを見ると、色とりどりのお手玉を思い出すの。
そのお手玉から生まれるあずきの音は、
おばあちゃんの優しい声と、
重なるのでした。