薄紫色。

優しいこの色に包まれたくなるのは、

あなたを思い出すとき。

頭をなでてくれた、あなたの小さな手を思い出すとき。





薄紫色。


紫陽花の色

桔梗(ききょう)の色

ライラックの色

おばあちゃんちのお庭の色

おばあちゃんと読んだ絵本の色

おばあちゃんが作るお漬け物の色

おばあちゃんがよく着ていたブラウスの色




薄紫色はおばあちゃんの色




ありったけの薄紫色のお花を集めて、

私もお花の帽子を作るの。

おばあちゃんへプレゼントだよ。

敬老の日のプレゼントだよ。

ひと針ひと針、心をこめて作るよ。

きっと似合うと思うよ。

ブラウスの色が薄紫色だったから。


 


昨日は敬老の日でしたね。

逢いに行けなくてごめんね。









私は1年生の夏休みに初めて針を持ちました。

おばあちゃんちの縁側で、

おばあちゃんに針の大切さを教えてもらいながら、

紫陽花や桔梗のお花を眺めながら、

フエルトと刺繍糸でうさぎのマスコットを作りました。

ドキドキ、ワクワク。

それから毎日何かを作っていました。

自分の心が形になるようで楽しかった。

おばあちゃんは、いつも褒めてくれました。










これは先日娘が、

初めて作ったマスコットです。

夏休みが終わった次の日曜日

娘が急に

「私も何か縫ってみたい!」

と言い出したの。

ビックリした。

私とほぼ同じ歳に針を持った偶然。

でもなぜか必然にも感じて、

おばあちゃんを近くに感じて、

ただただ嬉しかった。


私は遠いあの日のように、

針の大切さを娘に伝えました。

そして、

娘が選んだフエルトの色は紫色でした。

娘は紫色で作りました。

娘は薄紫色が大好きなんです。



人生って不思議ですね。

















薄紫色は

おばあちゃんの愛の色



あなたを想う私の

涙色





ティアドロップ




おばあちゃんに逢いたいです

お墓参り行くからね