037 Dark Side ---香取神宮 と 鹿島神宮 へ 二人旅 | Love-Shrine 

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物語と神社めぐり 

 

結妃ちゃんが、名古屋に帰ってから2週間ほど経ってしまった。

その間に結妃ちゃんから1度電話が掛かって来て話をしたが、碧澄からは私達の妖艶な姿をタップリと見せてあげたのに、例によって1度も連絡が来ない。 いつもの碧澄。 薄情なヤツだ! 

そう思ったら、碧澄は私の“物”ではないのに、何故か、また腹が立ってきた。 私が振った男なのに・・・

結妃ちゃん、ごめんね! 碧澄に腹を立てて・・・

そんな事を思いながら、お一人様でテレビを観ていると突然、碧澄からの電話。 

よし、今回も“電話なんて待ってないよ。期待なんてしてないよ”とか愛想無く答えよう・・

「もしもし・・碧澄。 何かあったの~?」

どうだ。この前は一方的に話されて切られたが、今回はそうはイカナイゾ! クールな愛夢だ!

「愛、どうかした?。機嫌?悪そうだな?」

上手くいった

「そうでも無いけど」

「そうか? 男に振られて機嫌が悪いのかと思った」

テメー、ふざけるなよ!

「そんな事ないよ! 相変わらず一人身なんで!」

何てヤツだ! でも、これって結妃ちゃんとの、挨拶代わりの会話に似ているかも? 私、レベルアップした?

「そうだったな。 急な話だけど今週の土日に、香取神宮と鹿島神宮に行かないか?」

「え!今日水曜だよ。週末だから会社は休みだし、一人身だから予定は無いけど」

悪女が舞い上がっている!テンション上がって来た~。

「だから、声を掛けているんだ」

「当たっているけど、それってバカにしているよね!」

「どう? 行ける?」

私の話を切った。クソー!

でも、誘われて嬉しくて舞い上がっている!

「行けるよ! 航空券は? 今なら高くないの?」

「今、安いの見つけたから、お誘いしたの!」

「じゃー、行くから予約を入れて」

「愛夢ちゃん、いいノリだ!」

「意味わからないけど、ありがとう? あ!ついでにホテルね、一人じゃ怖いからツインにして! ダブルではなくツインね。 だけど何もしないからね。ダメだからね!」

本当は一人でも大丈夫だけれども、同じ部屋で寝たかった。

「ツイン? わかった! 保証は無いけどね・・」

「よろしくね!」

「時間など詳しく決まったら、また明日の夜にでも電話するな」

いつの間にか悪女が丸め込まれている。 情けない。

 

 

 

電話が終わった後、少し眠っていた“女性の気”が眼を覚まし出してきた。 それは、香取・鹿島神宮に行ける事より、碧澄と出かける事。

ヤバイ。日にちがない、肌のお手入れをしてLadyにならなければ・・

それからは、会社に出掛けるのも体が軽いし、ウキウキ状態で会社でも機嫌が良い単純な悪女。

 

いよいよ明日、お出掛けだ。

旅の準備は何時もの様に直ぐに出来たし忘れ物はない。 着替えも予備を持ったし・・結妃ちゃんに言われた例の攻めている下着は・・何も無いと解っていたが無意識にバッグに入れていた!

“何を期待しているの? 無い無い!”と独り言。 恥ずかしい~

 

朝、札幌駅・みどりの窓口に9時集合。

少し早めに着いたので、まだ碧澄の姿はない。 5分ほど待つと冴えない顔をして碧澄がやってきた。

「ごめん、寝坊をした。」

「ふ~ん。それで冴えない顔をしているんだ! 私なんて普段より早く眼が覚めてしまったよ。 嬉しくて」

「さー、ホームに行こう」

私の話は無視かい! それに碧澄の好きな編み込みで来たのに、気付いて褒めろや! 

 

空港に着いて保安所を通過後に、追い朝食のサンドとおにぎりを買って機内に持ち込み。

例によって私は、彼女ではないけれど “彼女です” アピール で機内サービスのコンソメスープをもらって、二人で追い朝食。

「碧澄、コンソメで良かったんだよね?」

「おー、正解だよ。愛、編み込み・・いいな~」

「今頃、気が付いたの? 気合入れて編んだよ」

「惚れるな~」

「褒めてもダメ~。碧澄は結妃ちゃんの物」

と言っている自分は何んなの?

誘っている私と制御している私。 Darkな愛夢だ。

例によって碧澄は、着陸態勢になると窓の外を見ながら・・楽しんでいる。

私も碧澄に寄りかかり、外の景色を見るより恋人気分を楽しんだ。

成田空港に着くと、梅雨のせいか残念ながら雨。

空港の指定の場所で20分位待たされて、やっとレンタカー屋さんの迎えの車が来て事務所へ。 簡単な手続きを済ませてカーナビをセットして 香取神宮へ

「待たされたりしたから、もう2時近くになったね」

「うん、少しイラッとした」

「ここから香取神宮までは、どの位掛かるの」

「近いよ。30分位で着く」

「小雨だけど残念だね。 良く見れるかな?」

「雨だと、どうしても落ち着かないな~」

「そうだよね・・・」

 

道路を跨ぐように、白い鳥居が

「あ、鳥居が見えて来た。もう直ぐかな?」

「もう少しで駐車場だよ・・・」

「駐車場だよ。 広いから余裕だね」

 

 

 

「小雨だけど傘を持っていこう」

「碧澄、一人傘? 寂しいな~」

冗談で言ってみた

「当り前だろう~ 境内自由に歩けないだろう」

「冗談! マジに取らないで」

そう言いながら歩きだした

200m位歩くと 朱塗の大鳥居。ここからが 香取神宮

 

 

香取神宮 (かとり じんぐう)

御祭神  経津主大神(ふつぬしの おおかみ)

 

 

 

 

神 池

 

軽い上り坂を歩いて行くと、左に曲がり途中に“奥宮 要石”の案内板

「要石は参拝が済んだ後に反対側から行くからこのまま行こう」

「うん、わかった。 碧澄、この要石を見たかったんでしょ」

「そうだよ。ここは♂で鹿島は♀。だな!」

「また、下ネタで言う・・」

「この地域、地震が多いのは、ナマズのせいとの事で香取・鹿島でナマズの頭と尻尾をこの石で押さえているらしいよ?」

「・・・?」

 

参道の両側には多数の石灯篭がならび、上がりきると左手に神池が見えて来た。そして白い鳥居があり、少し長めの石段を登ったその先に朱色の総門をくぐり、右に曲がると楼門。

 

 

 

 

 

 

総 門

 

「ここまでは、なかなかの何とも言えない迫力があるな」

「何か、ズッシリとした風格があるね。総門までの石段、好きかも」

「広くて“いらっしゃーい”て感じだ」

「うん。そんな感じだね。楼門をくぐろう」

朱色の楼門を抜けると拝殿・本殿

 

楼 門

 

 

中からの楼門

 

「わー、やっぱり拝殿も黒っぽくてズッシリとした風格がある。それに屋根の曲線が好きだな~」

「たしかに。男らしいし力強い感じだな。経津主大神にピッタリだ」

「お参りしよう」

 

拝 殿

 

碧澄のお参りは、何も頼まず、ただ“ここに来れて有難うございました”とお礼を言うだけと言っていた。

パワースポットみたいのにも興味が無いらしい。

せっかく来たのに・・・でも碧澄らしいな

 

しばらく境内を不審者の様にウロウロ・チョロチョロと廻って

「愛、そろそろ次に行こうか」

「ほーい」

要石までは総門を通らないで旧参道?を歩いて行くと、さっきとは違う要石の案内板があり左に曲がると

「あったよ」

「柵に囲まれているんだ」

 

要石♂

 

 

 

 

「囲まないと座って写真を撮ったりする人、絶対出てくるよね」

「そうだな。観光気分での人も多いから。ピースサインなんかして」

「私、ナマズを抑えるから、もう少し大きいと思っていた」

「確かに。  これが♂か」

「しゃー。♂♀関係ないよ。スケベ! パンフには凹凸て表現しているよ」

「凹凸だって♂♀と同じだろう」

「スケベ!」

そう言いながら、すぐ近くの“押手神社”と“香取護国神社”をお参りして

「一度戻って、奥宮に行こう」

旧参道?に戻り左・左に曲がり奥宮へ

 

奥 宮

 

参拝後そのまま下り坂を下りると先ほどの朱塗の大鳥居の所に降りてきた。

「ここに戻るんだ。なるほどね」

「雨、止まないね。少し濡れた」

「車に戻ろうか」

そう言って駐車場に戻り

「トイレあるから行ってくるね」

「俺も行く」

二人仲良くトイレ・タ~イム

車に戻りペットお茶を飲みながらの一休み・・・

「ここから香取までは、どの位?」

「高速を使わないからー50分弱かな。4時40分頃には着くよ」

「少し遅くなるけど、まだ大丈夫だね。ただ雨が・・」

「よし、ナビもセットしたから行くぞ」

「ほーい」

 

「碧澄、結妃ちゃんには言ってあるの?」

「この前、決まった時に言った。“いいなー”て言っていた」

「怒らないかな?」

「愛とだから怒らないよ」

「ん~?女なら微妙な気持ちだけどな~」

「そうか? ユキと愛の関係だけは大丈夫だよ」

「そうかな~?」

マジ心配なんだけど、心配する位なら断れば良かったのに・・

でも、喜んで来ている。 Darkな私。 

ごめんね、結妃ちゃん。 

我慢して何事もなく帰るからね。 心配しないでね!

 

「着いたぞ!」

「駐車場は鳥居の横なんだね。何かお土産屋さんもある。後で覗いてみよう~と」

 

鹿島神宮  (かしま じんぐう)

御祭神   武甕槌大神(たけみかつちの おおかみ)

 

 

鳥居をお辞儀をしてくぐり

 

少し曲がった参道

 

 

楼 門

 

「ここの参道は石畳があり少し右に折れてるね。奥に朱色の楼門かな?」

「楼門だね。左手に手水舎がある」

ここも碧澄が先に清めてから、ハンカチを渡してあげた。

この動作。香取もそうだが、快感そのもの! 

結妃ちゃん明日まで碧澄を借りるね~ 

 

 

 

拝 殿

 

「あ、直ぐ右手に鳥居が・・本殿と拝殿だ」

「香取と同じような黒色だけど、風格が微妙に違うね」

「曲線が少ない分、シンプル? でもギラギラしていないから品格?風格がすごいね」

「うん。ここも好きだな~。 参拝しようね」

「この向こうが奥参道でその先に要石があるみたいだ」

長い奥参道を小雨の中を歩いて行くと、さざれ石・鹿園・熱田社があり、そして奥宮

 

奥参道へ

 

 

 

 


奥参道

 

 

奥 宮

 

「ここに奥宮があるから、ここも参拝」

「はーい。沢山お参りするところあるね」

「香取もそうだけど、あるね~ この奥が要石かな」

さらに奥宮の後ろの方に進むと

「何か石版があるよ。見てみよう」

「巨大ナマズを抑え込んでるゾ」

 

 

「ナマズさん、頭を押さえられているのに、眼がかわいい~」

「そこかい!」

「ナマズて、いつから地震の“元”になったんだろう?」

「さぁー?」

少し歩くと

 

要 石

 

「あそこみたい! 鳥居と石の柵が有るから」

「どれどれ、♀だ。 俺♀ 好き!」

「バカ! ここもお参りね」

「メスの部分に丁度良く、雨水が溜まっている」

「バカ! 大きさは香取と同じくらいだね」

 

要石♀

 

 

 

「そうだな。30cm位かな? 何か話によると 徳川光圀 が掘らせたが、中々底に届かなくて諦めたらしいよ?」

「下は氷山みたいで大きいのかな?」

「さ~? 話だから解らない?」

「そうだね」

「少し雨が強くなって来たみたいだから戻ろうか」

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

帰りは灯篭にも灯りが入り、雨のせいで石畳に灯りが反射している。

気のせいか綺麗に見えるよ~。 私、女が目覚めた?。

 

 

 

無意識に碧澄に近寄って恋人ではないけど、恋人オーラを出しながら心地よい参道を神様に見られながらユックリと歩いた。

雨さん。時によってはイイ仕事するね・・・

 

 

 

 

 

 

「あぁ~、お土産屋さん閉まっている。 ガァーン! トイレ行くけど、碧澄も行く?」

「お供しま~す」

 

碧澄が素直だと気持ちがいいよ~。

もっと体にも、素直になればイイのにね・・

ダメ! Darkな私に成りかけている。 気を付けよう・・・

 

「碧澄、ホテルは近くなの?」

「少し戻ったところの海沿い。ここから10分位かな? いまナビをセットする」

「近くて良かった。ゆっくり出来るね」

「一度ホテルに行ってから夕食にする?。それとも何処かで食べてから行く?」

「ん~? お腹が空いてるからファミレス当たりで食べて、飲物を買ってから行こう」

「わかった。ファミレス、来る途中にあったような~?」

「あった、あった!」

夕食を済ませてホテルにチェックイン

「8Fの828だって。カードキー2枚」

「ここでは、2枚いらないね」

「エレベータあそこだ! 大浴場があるから有効的だよ」

「お風呂あるんだ。良かった、ゆったり出来るぅ~」

「ここだ。お~広い!」

「ちゃんとダブルではなくツイン! 良く出来ました」

「当り前だろう。俺、少し横になるな」

「私も・・お腹がいっぱいだし・・」

「少し休んでからお風呂に行こう」

「賛成・・」

そうこう言って30分位あまり会話も無く本当に休んだ。

碧澄と同じ部屋で寝る事も緊張感が無くなっていた。

良い意味でも悪い意味でも・・慣れて怖いな~。

碧澄は今、何を考えているんだろう? 私の事?結妃ちゃん?

同じ部屋に美女がいるから・・夜の事?・・

マズイ! Darkな愛夢ちゃんが出てきて挑発したらダメだよ!

「愛・・起きている?」

「起きているよ」

「チョット相談があるんだけど・・」

え?夜のお誘いの相談? それは相談ではなく流でしょう

でも、碧澄からのお誘いなら受けるけど・・

「どうかしたの?」

「明日なんだけどさー。今日で行く所が済んだから、この辺観光する?」

お誘いでは無かったのかぁ~・・

「そうなんだ・・別に何処でもいいよ。碧澄の行きたい所で」

少し残念でした。 当たり前だよね・・

「ここまで来たから日光東照宮も考えたんだけど、時間的に無理なんだよな。 もう少し考えて今日は宇都宮あたりに泊まれば、何とかなったかも? 失敗」

「東照宮、行ってみたいけど。無理なの?」

「行けない事は無いけどね。 160Km位で余裕みて3時間だから、俺達にしてみたら近いんだけどレンタカーを返したり、空港まで送って貰ったりしたらギリなんだよな。 何かアクシデントや急いで事故でも起こしたら・・・“傷物”の愛夢にはしたくないし」

「往復6時間、参拝2時間弱、レンタカーと空港まで1時間、空港で1時間弱で約10時間 飛行機は17時だから・・朝7時にホテルを出ないと・・ムリか・・」

「そうなんだ。俺は東照宮の中の“西浄(せいじょう)”だけを見ればいいんだけど、愛はそうはいかないよな」

「うん、出来たらチャンと観たい」

「だよな~」

「碧澄、もう一泊して行こうか? 月曜 “熱”なんか出したことにして・・・朝起きたら具わいが悪いとか」

碧澄は驚いた様子・・

「え!マジで言っているの? 愛がそんな事を言うとは思わなかった」

「ホントだよ。仮病使おう・・。ネェ、もう一泊して東照宮に行こうよ」

「行くか・・!ホテルは日曜だから空いていると思うけど」

「ついでに鬼怒川温泉に泊まろう! サービスは出来ないけど」

「サービス無いのか~、残念だな~」

いつものノリだ・・いいよ碧澄

「キスくらいなら許してあげるから、ネェ行こう」

「よし、先に航空券だ。変更かけよう」

ネットで変更。空きが有ったので変更完了。

「帰りは余裕あるよね。あとはホテルとレンタカーだ」

 

「すべて、完了。あとは月曜の朝に会社に連絡で・・俺達、悪だね~」

「碧澄、キスしてあげる」

“ありがとう”を込めて美味しいキスを・・

「愛。今日は可愛い悪女だ」

「そう、いつもDarkな愛夢だよ」

そういって、もう一度キスをしてあげた・・これ以上はダメだよ!

「美味しかったよ。 お風呂に行こうか!このホテルはお風呂に行くのにガウンでもOKだって」

「私、部屋着を持って来ているから、帰りに着替えて来る。そうしたら碧澄に見られないで済むから」

「俺も、スエットで帰ってくる」

「じゃ、用意するね。待ってて・・」

 

私は恋人オーラをまた出しながら最上階の展望風呂へ

帰りは適当にと言う事でお風呂の入口で別れた

お湯は温泉ではないけれど、湯船が大きいのでやはり気持ちが良い。

湯船に浸かっていると、小雨の中の参拝のせいか疲れているのが解る。

もう少しノンビリと入って疲れを流そう。

ぬるめのお湯に浸かりながら、何で月曜に“仮病”を使って休もうと、言ってしまったんだろう? 自分でも信じられない。

碧澄が驚くのも当然だ。

東照宮を本当に観たいから? イヤ違う。

碧澄と居たいから? それは少しはあるけど、それも違う。

何でだろう? 自分でも本当のところは解らない? 

でもイイヤ! “仮病”を使って楽しもう。 それが一番!

結妃ちゃんに言われた通りに、例の下着に履き替えて・・部屋着を着れば、浴衣と違って見えないから誘いを掛けているとはわからない。

わかるのは、その時にわかるだけ。

矛盾だよね!。見せたいの?見せたくないの? これも解らない?

私達ていったい何なの? 不思議な関係だな~?

 

部屋に戻ると碧澄はまだ戻って来ていない。

コンビニで買って来た、ミネラルウオーターをグラスに入れて飲んでいると、碧澄が帰って来た

「遅かったね、磨いてきたの?」

「いや、疲れていたのか浸かっていたら気持ちが良くてなって・・」

「そうだよね、私もそんな気分だったよ」

「それより愛の方が早かったな! 磨かなかったの?」

「磨きすぎると、碧澄が制御出来なくなっても困るからね」

「確かに・・愛はホドホドの磨きで充分だよ」

「・・・どういう意味・・?」

また無視された・・前に言っていた “磨き過ぎると見れなくなる” みたいな? 事?

その時は良い意味で言っていた・・はず!だから許してあげるね。

少し気持ちが良いので、酔いたい気分になって来た。

冷蔵庫から今度は35缶ビールを2本出して。

 

 

「碧澄、はい。 喉が渇いたでしょ」

「サンキュー。明日は9時位にホテルを出て東照宮、時間があるはずだから隣の、日光二荒山神社 も参拝しよう。そして時間があったら 華厳滝 までかな」

「楽しみ・・!仮病のおかげだね!。でも明日も雨の予報・・」

「雨か~。でもマジ、愛が仮病を使うなんて、信じられない」

「自分でも・・何で言ったか・・わからない?」

「とにかく、楽しもう・・!」

「そうだね。 結妃ちゃんが怒らないか心配だけど?」

「いま、電話をしてみようか」

「え、大丈夫?」

と言う前に・・スピーカーモードでコール音が・・

「ミドリ、何の用なの? 今、男と遊んでて忙しいんだけど」

「それはお邪魔でしたね。 俺も今、美女と同じ部屋に居るんだ」

「ふ~ん。もしかして・・それは美女ではなく美女に化けた悪魔かもね~」

「悪魔の愛夢ちゃんでーす。 ごめんね碧澄を借りて」

「姉さん、この前は有難う。 その変な“物”適当に扱っていいよ」

「そんな事、言ったて結妃ちゃんの“物”だよ。借りるだけ」

「“物、物”て俺、人間だけど物でないぞ」

あ!今まで碧澄の事を結妃ちゃんの“物”て呼んでた。 碧澄は人間なんだ!。物ではなかった・・!

「姉さん、気にしないでイイよ」

「有難うね。今、結妃ちゃんに言われた事を、一応 実行しているよ」

「あ~、アレね。効果あればいいね」

直ぐに下着の事と気が付いたようだ

「お前ら、何を言っているんだ? ユキ、東照宮に行く事にしたから、月曜日は仮病を使って休む事にしたぞ」

「え~、ずるい~」

「こめんね、私が言い出したの」

「は~?姉さんが? 信じられない?」

「自分でも信じられないんだ」

「姉さん、とうとう悪魔になったね。 ようこそ、Darkな世界へ」

「元々、Dark-Sideの住人ですけど」

「ユキ、またタップリと遊ぶぞ」

碧澄、結妃ちゃんの機嫌を取っている?

「ミドリ、ユキに付いて来れるかな?」

「ずるいよ結妃ちゃん。 また腰を悪くするよ~」

「ユキも鍛えておきなよ」

「もう、他の男と鍛え始めているから大丈夫! だからミドリ、楽しみにしてるよ」

「お!」

「そしたら姉さん、がんばって~」

「がんばらないよ! じゃ~またネ~」

「気を付けてね~。バイバ~イ。 ミドリ! チュ!」

「チュ!チュ!」

結妃ちゃんは声が、弾んでいた。

「結妃ちゃん、電話をしたら嬉しそうだったね」

「そうだな! でも今の仕事を辞めて、パパの会社に入るか悩んでいるみたいだな?」

「そんな事になっているんだ!今の仕事、気にいっているみたいだしね」

「ん~、どっちにしても将来は、パパの会社だしね。早いか遅いかだけどね」

「何か大変そうだね・・Ladyの結妃ちゃんは・・結妃ちゃんで」

 

その後も、明日の事や結妃ちゃんの事を話しながら、お酒も控えめに飲み終わり・・

 

「ね~? 東照宮の“西浄(せいじょう)”だけ観たいって、何なの?」

「“西浄”て東照宮で言うと“神様のトイレ”と言われている所。 でも中には入れないらしい?」

「トイレを観たいの?」

「イヤ、東照宮の軒瓦は全部? “三つ葉葵” なんだけど西浄だけが勾玉の形の “巴紋” なんだ。」

「それが~?どうしたの?」

「一説には“豊臣秀吉”をバカにしたとも言われているんだ。  お前は便所で寝れと」

「そんな事・・・?それだけの為に東照宮に行きたいんだ!

「あくまでも一説。 そこが面白いところ。 東照宮の Dark-Side  な所かな?」

「色々あるんだね? 怖い怖い・・」

「愛、そろそろ寝ようか・・」.

「そうだね、今日何か疲れたし・・寝よう・・」

期待をしていた事は無さそうなので・・私から

「おやすみと東照宮のお礼のキスをしてあげるね」

「上からの目線・・」

碧澄が結妃ちゃんの事を心配していた様なので、軽めのキスにした。

その代りに、おやすみとお礼の2回。 

 

 

「おやすみ 碧澄」

「お!おやすみ・・」

それでも私は気持ちよく眠れてしまった。