028 Dark Side --- 妖怪神社と八本杉 | Love-Shrine 

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物語と神社めぐり 

朝。 心地よい眠りから目を覚ますと、当たり前だが私の着衣に乱れは無かった。 思除留神と結界の力なのか? 思除留神を軽く取って碧澄のアホ顔の寝顔を見ようとしたら、反対の方に顔を向けていた。 残念。

イタズラもできない。起こすのも可愛そうなので、このまま寝かしてあげよう。

静かにベッドから出てから、台所に行きコーヒーを入れソファーに座りながら意味の無いネットニュースを流し読み・・・

未だに碧澄の起きる気配すらない。 

コーヒーも飲み終わり、する事も無いのでベッドに戻ろうかな~

寝室に戻ると碧澄は半ば私の方に向きを変えていた。

まだ起こさないように静かにベッドに入り、碧澄の方に向きを変え

アホ面をしばらく拝見しま~す。 穏やかな時間だ。

結妃ちゃんも碧澄といる時はこの様な時間を過ごしているのかな?

羨ましいけど私も今、体験している。 楽しい~。

碧澄の無防備な顔はこんなアホ面なんだ~。

起こさない程度の、指の圧力で碧澄の眉毛・目・鼻・唇をなぞりながら遊んでみた。 

起きない。 もう少し圧力を上げて・・なぞる。

まだ、起きない。 反応が無いと面白くない。 起きろ・・!

最後の手段、最終兵器発動。 碧澄の唇にロックオン! 

「・・?愛、どうしたの? ビックリ・・?」

「なかなか起きないから、最終兵器を使ってしまったよ。」

「窒息するかと思った。」

「あぁ~、もったいなかったな」

「自分からしておいて、それは無いだろう」

「美味しかった?」

「それは、わからない」

「無駄なキスになってしまったか・・」

「意味。わからん?」 バカヤロー

「もう。してあげない・・」 フンだ!

「今日、石狩浜に行こうか?」

「ん~。部屋でゴロゴロしていたい」

碧澄は何で?みたいな顔をした。 茉郷との嫌な思い出がある浜なので行きたくなかた。別な所なら良いのだけれども、本当に碧澄と部屋でゴロゴロもしてみたかった。

「暇でない?愛がだらしなくダラダラ・ゴロゴロでイイなら、それでもイイよ」

「だらしなくは、いらない。でも本当に良いの。そうしたいの」

「わかったよ。じゃ~もう少し布団の中にいよう」

「うん。でも何もしないでね。 犯罪行為もな~し」

碧澄、我慢して耐えろ。私も耐える。

「わかった」 ごめんね・・・

そんな話をしながら・・・

「そう言えば、碧澄と結妃ちゃんが駅デパで、デートしている時にエスカレーターですれ違ってから1年位たつね」

「そう言えばそうだな。GWの頃だったか」

茉郷に会って気にいってもらえるために、服を探して買ってた時。

「早いね、あの時何か買いに来ていたの?」

「別に、何も目的はなかった。結妃が暇つぶしをしていただけ」

「そうなの。」

私は無意識に買い物袋を隠してしまった。後ろめたさがあったから?

「あの後、2回位 1F~8Fを往復した~」

「え!何もしないで?」

「そう。ただひたすらに・・」

「エスカレーターに乗っていたの・・?」

「姫の命令。貸を返せて」

「結妃ちゃんらしいけど・・怒らないの?」

「俺も用ないし・・」

信じられない。私なら切れるかも・・・

でも、そこで結妃ちゃんに会ったから今の私がここにいる。

結妃ちゃんに救われた私が・・。

その後に結妃ちゃんと会ったことは、まだ碧澄には言えない。

結妃ちゃんとの約束だから・・・

「その時、結妃が“あの人、誰”と愛の事聞くから、高校の時に“付き合って”て言って断られた人。て白状した」

その話は恥ずかしい~ごめんね。その時はDarkな女だから

「恥ずかしい~。それで?」 恥ずかしいけどモット聞いてみたかった

「キャンプの時から始まって・・・愛の事を色々話をした」

だからあの時に結妃ちゃんが声を掛けてくれたんだ。

ありがとう、結妃ちゃん。 ちょっと碧澄借りるね。

「碧澄。キスしてあげる」

と言いながら、美味しいキスを・・・

「女ってズルイよな。自分勝手で・・」

「そう?」 結妃ちゃんと私は、そうかもね・・・

「お前らは特に・・」

「複数形て言うことは、私と、結妃ちゃんと・・他の人も?」

「知らんは・・・」  バ~カ

 

「そろそろ起きようか?」と言うと

「朝飯作れ。それまで寝ている」

上から目線で怒っている。かわいい・・・

「トーストとサラダで機嫌を直してね~」 

怒ってまたキスを待っている? ダメ~、私は勝手な悪女だよ。楽しい。

 

「もう、起きなよ。パン焼けたよ~」

「仕方がない。起きるか」

そう言いながらトイレ&顔を洗ってテーブルに

朝食を取りながら、碧澄が

「ドライブに行かないなら、近くのスーパー銭湯に行ってノンビリしない?」

「近くに有るの?」

「歩いて10分位。車なら直ぐだよ」

「いいね。歩いて行こう。お酒飲めるから」

「夕食もそこで食べればいいし」

「夕食は何か作って部屋で食べよう。」

ちょっと、恋人?同棲?気分になりたかった

「えぇ~?何作れるの?」

「失礼ね、作れるの?ではなく何を作るでしょ」

「・・・・?」 どうした碧澄。何、固まっている?

「じゃ、簡単に出来ているピザにスパゲッティにしない」

「それでもイイよ」 “それでも”は、どういう事。ムカッ!

「冷蔵庫にチーズとサラミ有ったからタップリと入れよう。私、よくやっているから美味しいよ。それに 粉のミートソースの素を使ってソース作ろう。」

「ミートソース、ナイスだよ。俺 好き」 ヨシヨシ

「ミートソ-スね、大学近くの喫茶店のが美味しくて、私の基本の味になったの。市販のは少し酸味が強くて・・そこのは少し甘めなの」

「へー、俺も少し甘めのが好きなんだ。そこの食べてみたいな」

失礼なヤツだな。私のを先に食べろ

「だから、私が作ってあげるって」

「今日は愛ので我慢するか」 殺すゾ

「今日は我慢してね~」 バカ碧澄の知らない部分が見えてきた

「コンソメも・・」 ここで、コンソメも来たか~

「はいはい、コンソメの素で作るシンプルなやつね」

碧澄の言うとおり。素人はコンソメは作れない、と言うより素で作るのが一番のベストな選択

「そうしたら、温泉に行く前に材料だけ買って少し仕込んでから行こう」

「うん、そうしよう。」

 

朝・昼兼用の朝食?を食べ終り買い物に・・・

 

しかし、勇んで買い物に行ったが買った物と言えば、牛ひき肉・ミートソースの素・玉ねぎ・ピザ・ビール・ワイン。あとは家に有るから いらなかった。 つまり酒が一番重たくメインになってしまった。

 

「ミートソースだけ作っておいて、後はその時に作ろう」

「愛におまかせ・・」 楽しい・・これが恋人気分? 経験したことのない幸せ感。 

「結妃ちゃんもこんな事をしているの?」 聞いてみたかった

「気合入れる時はお昼から始めている」 ゲ・・

「すごい、負けた~」

「何が負けたの?」

「何か結妃ちゃんて・・不思議?。大人になったり園児になったり」

「理解できない所あるからな」

「でも私は好き。碧澄とキスをしている所を見ても、羨ましいだけで、嫉妬はもうないんだな~。何だろう?」

「恥ずかしい事、言うなよ。 俺が照れる」

「ごめん。思わず本音を言っちゃた。でも結妃ちゃんも私がキスをした時に喜んで見ていたよ。」

「だから、その話はもういらない」 照れている。かわいい・・

「また、よーく観たいな~。結妃ちゃんの濃厚なキスを・・」

「いい加減にしてくれ」 また、観るもーん。バ~カ

 

仕込みも終わり時計をみると、もうお昼を過ぎていた

「愛、そろそろ温泉行こうか。本当に歩いて行く?」

「うん、10分位なら歩くよ。」

「おれ、風呂上がりが楽だから、スエットで行くけど」

「私はどうしようかな?少しだらしないけど部屋着で行こうかな」

「スエットに近いから、街を歩いても平気だよ」

「じゃ、着替える。待ってて」

「Roger」 何がラジャーだ。バカ!

「おまたせ~。タオル買い物袋でイイよね?」

「イイよ。どうせ濡れるから。それに服装にピッタリ」

「微妙な言い方だな。よし行こう・・」

 

部屋着で外を歩くなんて、今まで考えた事がなかった。

それより、外の埃が付くのが気になっていた。 ま~イイか!

碧澄も私もダラシナイ?でも仲の良いカップルに見える?かな?

恥ずかしいけど、また街中の視線が欲しい・・あの時と同じだ・・

 

「碧澄、今までで一番変わっていた神社はどこ?」

「・・・一番は3個取っているな」

「すごい、何が3個?」

「変わっている・怖い・ウケる」

「ウケる?て何? それってどこ?」

「妖怪神社」

「妖怪神社???」

碧澄は歩きながらスマホの写真を探してみ見せてくれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「PCにはまだ沢山有るけれど、一応これ」 携帯を借り写真を見ると

「これって、妖怪アニメの・・」

「そう、怖いだろう。」

「バカにしているね。一番ウケる~」

「愛、怖くないの?」 どこが!

「真面目に行きたくて行ったの?」

「ついでにだよ・・・」 

 

 

 

 

 

 

 

こいつ、私をバカにしている。 でもやっぱり楽しい・・

しかし、写真を見ていると知らない女性と写っているのを見てしまった。

ヤバ。嬉しそうに写っている。誰なの?。

結妃ちゃんに見られたら、殺されるかも?

浮気? でも正式に誰とも付き合っていないFreeな状態だから浮気とは言わない。 結妃ちゃん公認? いや公認は私だけ・・のはず?

マ~美人だ。結妃ちゃん以外の女性だから、怒りが有るし嫉妬も有る。

この女性気になる! 碧澄、他にも遊ぶ女がいるの? 

もしそうなら結妃ちゃんと二人で碧澄を殺す!

でも私にその資格はないのかも。彼女でもないし・・

碧澄にとって私は ただの大切な友達だけだから・・

楽しいけどテンションが下がってしまった。

私の早とちりか、誤解で面倒な事になるのもイヤだから、取りあえず今は見なかった事にして、知らないふりをしておこう

「ふ~ん!」 無意識に怒ってしまっている。気をつけよう・・

「・・ん? どうしたの?」 怒りオーラを出している?

「いや、別に・・他には・・」

「着いたから、また後で話す」 一息つく タイミングで良かった

 

休憩する場所を決めてから、最初は40分前後で上がる約束をして、お風呂に・・・

最初から温泉に浸かるだけなので、シャンプー等も持ってきていないし、少しゴワゴワするが備え付けで済ますつもりでいた。 

ぬるめの露天風呂に浸かりながら、気になっていた写真の美人さんの事を考えてしまう。でも、どうしようも無いので態度には出さないように気を付けよう・・

碧澄、あの美人さんは誰?

戻ると碧澄は何やら携帯の写真を見ていた。

あの美人さんを見て、満足しているのか?

「ゆっくり入ったよ。でも磨きは碧澄が発情したら困るから程ほどにしておいたよ。」

「正しい選択だ。」 うるさい、スケベ碧澄

「何を見ていたの?」

「変わった神社の写真を探していた。」 

「ふ~ん。Hな写真かと思った。ビール買ってくるね」 

女でないのかよ~?

「ごめん。お願い」

ジョッキーとフライドポテトを買って・・

「意味のないカンパイ~」 いつも意味がないけど

「これを見て。八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の首を埋めて、そこに杉を植えたんだ。 それで“八本杉”と言われている所 鳥居が有るから神社だと思うけど神社名は無いと思う?」

 

 

 

 

「住宅街の中にあるの?公園みたい」

 

 

 

 

 

 

 

「当然、杉の木は植え替えられているけどね」

「ダヨね~細いし。でも伝承で今でも残っているのが凄いね」

「でも、今までに読んだ本で何かは忘れたけれど、“出雲国風土記”と言う記には “国譲りや八岐大蛇”の伝承の記述が無いんだって。一番の盛り上がる所なのに」

「え~。そうなの?古事記では一番の盛り上がりで面白い所なのに」

「出雲国風土記もDarkだな・・何かがある?」

「八岐大蛇の尻尾から出た、天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)=草薙剣(くさなぎのつるぎ)三種の神器の一つなのに。」

「そうだね、三種の神器なのに。」

「嘘でも三種の神器の一つて記述するよね?」

「やっぱり出雲国風土記はDarkだ」

「愛、一眠りしようか?」

「いいね、少し休んでまたお風呂行こう」

「それまで、おやすみ」

マジ寝はするなよな~。 美人さんの事も有るけど、碧澄とこのノンビリ感は現実。 今は楽しもう~と。 おやすみ~