マチュー・デュフォーのリサイタル(クラシック倶楽部) | 岩下智子「笛吹女の徒然日記」Tomoko Iwashita

岩下智子「笛吹女の徒然日記」Tomoko Iwashita

フルート奏者 岩下智子が綴る気ままな日記です。

こんにちは、フルーティストの岩下智子です。


先日、放送されたクラシック倶楽部の「マチュー・デュフォー リサイタル」を観ました。


デュフォーの演奏は来日の度に何度か聴いていて、毎回、圧倒されますが、印象は変わらず、集中力があり、とても丁寧に一音一音を紡いでいき、一曲入魂で精緻さが際立つ名演奏を聴かせてくれます。毎回、ピアノの浦壁さんも素晴らしい共演をされています。


番組のインタビューで、デュフォー曰く、

「美しい音とは感情が伝わる音です。ポジティブな感情もネガティブな感情も。ただ綺麗な音は飽きられます。人生と同じように、音も変化や柔軟性があってこそ輝くのです。音に気持ちを乗せることが大切だと思います。私が音楽を通して目指すのは「分かち合い」です。音楽を通して物語を語り、メッセージを伝える。人の心に響く演奏をすることが私の幸せなのです。」


@NHKクラシック音楽館より


演奏には人柄が表れると言いますが、デュフォーの演奏は真面目で、緊張感に溢れています。彼の人生もそうなのかな?とふと思いました。ご一緒にお食事をさせていただいたことがありますが、お箸を上手に使われていて、器用に日本食を美味しそうに召し上がっていました。


ひと先ごろベルリンフィルを辞められたと伝え聞き、とても残念です。しかし、ソロ奏者として、またその素晴らしい音楽をいつか聴かせてほしいですね。