◆リスト作曲、オラトリオ『キリスト』 | 岩下智子「笛吹女の徒然日記」Tomoko Iwashita

岩下智子「笛吹女の徒然日記」Tomoko Iwashita

フルート奏者 岩下智子が綴る気ままな日記です。

リスト作曲 オラトリオ《キリスト》
Liszt:ORATORIUM CHIRISTUS
2012331日(土)17:30 開演16:50開場) 
新宿文化センター大ホール(新宿区新宿6-14-1)

このオラトリオは、1866年10月2日に完成し、リスト自身が「この曲は私の遺作である。」
と言ったほど、彼の人生の集大成として作曲された壮大な曲です。
全体が3つの部分に分かれ、14楽章ある大曲はシンメトリーで構成されています。
滅多に演奏されないこの麗しい曲を、ぜひこの機会にお楽しみ下さい。

指揮:淡野弓子
独唱:ソプラノ平松英子、アルト羽鳥典子、テノール武田正雄、
バリトン淡野太郎、バス浦野智行
合唱:シュッツ合唱団・東京/メンデルスゾーン・コーア/アンサンブルアクアリウス
オーケストラ:シンフォニア・ムシカ・ポエティカ
Ⅰクリスマス・オラトリオ
Ⅱ顕現節ののちーイエスの生涯
Ⅲ受難と復活
入場料■5000円(指定席)/4000円(自由席)2500円(学生)
お問い合わせ:菊田音楽事務所 042-394-0543
主催:ムシカ・ポエティカ 03-3998-8162 http://www.musicapoetica.jp/

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<リハ、一口メモ>
No.9 Das Wunder (奇蹟ー見よ、海に大いなる暴風おこりて)
なんとドラマチックに作曲されていることでしょう!
風が吹き荒れ、天に渦を巻きながら登っていく様子が精緻に描写されています。
演奏していて、緊張して心臓がドキドキします。
そして、目の前に広がる「奇蹟」。   
No.10 Der Einzug in Jerusalem (エルサレム入城)
顕現節ののちのイエスの生涯の最終部分。弦の八分音符の刻みが行進を表し、
合唱がその上にHosanna ホザンナ(私たちに救いを)と輪唱していく。
リストもバッハと同じように修辞法を使って作曲している。Hosannaの場合は天に昇っていく様子を表すため音は上昇型。
フルートにとっても高い音ばかりで、ひぃぃぃっ!

No.14 終曲 Resurrexit(復活)
No.1序曲のメロディが薄っすら現れた瞬間、ファンファーレが始まり、キリスト復活の喜びのフーガが重なりあい、
鐘が鳴り響く。素晴らしい荘厳さ。リストの新しい世界を垣間見る思いです。