とっても個人的なこと。
2017年の大晦日、施設に入所している母と過ごしました。父が亡くなる少し前に進行性の難病を発症してから身体の一部が不自由になり、気持ちもすっかり落ち込んでしまった母。そんな母が「大晦日は家に帰りたい」といいました。そして「のっぺ(※)作る」と!
母が料理をしたいと言い出したことはとても嬉しく、早速スーパーへ買い物に行き、一緒に料理をして晩御飯を食べました。ナント母は「ビールがのみたい」とも!服用している薬、病気のことなどを考え、ほんの一口でしたが・・・。
年が明けてからは白鳥が飛来する「瓢湖(ひょうこ)」へドライブをしました。元気な頃から、白鳥の季節になるといつも「瓢湖に連れて行ってほしい」といわれて一緒に出かけたことが何度もあったので、今回は私から誘ってみました。
身体が不自由になったことに加えて老いもあり、すっかりお婆ちゃんになってしまった母。そんな母を目の当たりにし、私も落ち込んだりしましたが、これまで沢山働いて忙しくしてきた母なので、ゆったりと毎日を過ごして欲しい。そして、病気の進行が少しでも緩やかになることを願いました。
父は4年前、体調を崩して入院したと思ったら2週間で旅立ってしまい、色々と話すことさえもできなかった。母には、これまで育ててくれた感謝の気持ちなど、少しでも伝えていけたら、少しでも多くの時間一緒に居られたらと思います。
親の老いをようやく受け入れることができた昨年。色々なことを教わった気がします。
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のっぺとは新潟の郷土料理で、年末年始やお正月に作ることが多い料理でもあります。帆立の干し貝柱で出汁をとり、里芋、にんじん、筍、椎茸、銀杏、蒟蒻、蓮根などの具材を煮たもので、器に盛り付けたら、絹サヤやイクラをトッピングします。新潟県内の地域によっても具材や、具材のきり方、味付けなどが違い楽しいのです。特徴は冷めても美味しいことです。