国生み物語伝承の地ー淡路島へ② | 酒サムライ・かずえの日本酒一合一会

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酒サムライ、にいがた観光特使、きき酒師・日本酒学講師。新潟の女性日本酒コミュニティー「にいがた美醸(ビジョウ)」を主宰しています。

ワタクシのブログに酒が出てこないなんておかしい!けしからんじゃないか!と思っていらっしゃいますでしょう!?ふふふ、ご安心ください。

 

淡路島=兵庫県

 

といえば酒どころです。灘の酒です!!

 

淡路島には現在は千年一酒造さんと都美人酒造さんの2蔵が存在しています。千年一酒造さんは神戸に戻る方向だったので立ち寄ろうと思っていたところ、伊奘諾神宮の宮司様より「千年一酒造さん行ってみたら?」とのお声がけが!「そうなんです!行きたいと思っていましたーーー!」と喜び勇んでいると、早速蔵にご連絡を入れていただきました!何と有難いことでしょうか。伊奘諾神宮では千年一酒造さんのお酒を御神酒として使われているとのこと。

 

伊奘諾神宮から30分ちょっと走ると到着すると言われて伊奘諾神宮を後にしました。途中道を間違えてしまい予定よりも時間がかかってしまいましたが、到着いたしました。

 

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伊奘諾神宮の宮司様からのご紹介で、取締役である上野山氏に蔵の中をご案内いただきました。ダンディーでカッコいいお方!と、浮かれている場合ではありません。

 

こちらの蔵は淡路島の北部に位置する東浦町にありますが、明治8年に創業されたそうで、手作り(甑で蒸す、麹蓋で製麴するなど)に徹しておられます。以前は淡路島にも40軒酒蔵さんがあったのだそうです。兵庫といえばいくつかの流派を持つ杜氏集団がありますが、こちらでは但馬杜氏の方がご活躍されてきたのだそうです。

 

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杜氏さんも80代にして現役でご活躍だそうで、「毎年1年生」と言いながら働いておられると。とっても心に残る言葉でした。確かに、お米のできから気候まで一度たりとも同じであることがないのですから、それも納得ですが、何十年もお酒造りをされてきた方の口からでる言葉だからこそ重みもあるのでしょうか、それらを超えた気持ちが込められたお言葉だなぁと心にじんわりしみこみました。

 

こちらでは使用しているお米は、特例地区の山田錦、雄町、淡路産の五百万石とのことでした。水質は「灘の宮水」と同じくらいの硬度だそうですから、中硬水くらいでしょうか。淡路島でももう少し南にいくと水の硬度が上がるそうです。 

 

伊奘諾神宮でもそんなお話をお聞かせいただきましたが、淡路島は自給率が100%を超えており、農産物も水産物も豊かだということと、美味しい水にも恵まれた地域であるということ。海に囲まれているのに10メートルも掘れば真水がでてくるのだとか。ビックリですが、花崗岩の地層があることが作用しているとのことでした。

 

こちらの蔵では見学も受け付けており、この日もお客様が多くお見えでした。

 

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「千年一」というお名前の由来を質問させて頂いたところ、このあたりは昔、郭であり花街であったそうです。地域で千年もの間一番になれるようにという願いがあったのではないかということ。

 

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気持ちがほかほかしながら、後ろ髪を引かれつつ、蔵を後にし神戸に向かったのでした。

 

今回は、出張が終わってからの束の間の旅でしたが、もっともっと知りたい、もっともっと・・・そんな気持ちになりました。 

 

旅の醍醐味は、その地域の文化を知ることであり、その地域の日常に溶け込むこと、地域の人と交流をすることですね。特別で、大袈裟なおもてなしが無くても、でっかいテーマパークや絢爛豪華な歴史的建造物のようなものがなくてもいい。

 

お世話してくださいました皆様、おかげさまで楽しい旅となりました。ありがとうございます。