北の海に浮かぶ美しい孤島にキツネが運んだ寄生虫「エキノコックス」。
それは「呪い」と恐れられる病を生んだ。
未知の感染症に挑む、若き研究者の闘いが始まる――

直木賞候補作『絞め殺しの樹』で注目の著者による、果てなき暗路に希望を灯す渾身の傑作長編

風が強く吹きつける日本海最北の離島、礼文島。昭和二十九年初夏、動物学者である土橋義明は単身、ここに赴任する。島の出身者から相次いで発見された「エキノコックス症」を解明するためだった。それは米粒ほどの寄生虫によって、腹が膨れて死に至る謎多き感染症。懸命に生きる島民を苛む病を撲滅すべく土橋は奮闘を続ける。だが、島外への更なる流行拡大を防ぐため、ある苦しい決断を迫られ……。

 

 

 

 

●感想レビュー

エキノコックス拡大を防ぐために礼文島の全ての犬、猫、キツネの処分を行う事になった。

実際に起こった話を小説化し、面白かったです。

 

島に赴任したエキノコックスを調べる技師が少しずつ島に馴染み、調査を続けるが、エキノコックスを北海道の本島に拡大させないためには礼文島で押さえるしかない・・・そのためには・・・

 

苦悩を抱えながらも殺処分を行い、島を後にして数十年、北海道の本島でもエキノコックスが見つける。

公衆衛生の視点から技師の静かな語り口が物語に深見を与えますね~