命を縫う。患者の人生を紡ぐ。それが使命――。熱い感動がこみあげる医療小説の傑作!
大学病院で激務に耐えている平良祐介は、医局の最高権力者・赤石教授に、三人の研修医の指導を指示される。

 

彼らを入局させれば、念願の心臓外科医への道が開けるが、失敗すれば……。

キャリアの不安が膨らむなかで疼く、致命的な古傷。そ

 

して緊急オペ、患者に寄り添う日々。心臓外科医の真の使命とは、原点とは何か。

リアルな現場で、命を縫い、患者の人生を紡ぐ熱いドラマ。傑作医療小説。

 

 

 

 

●感想レビュー

激務に押しつぶされそうになっても心臓外科医になる夢を求める医師の主人公。

私は知らなかったですが、心臓外科医として一人前になるには激務の日々に続き、教授に選ばれ、心臓外科が多く行われている病院に出向する・・・

 

努力を続け、患者に寄り添い、時には救命医としても活躍するが、心臓外科医として医局から認められない主人公。

教授の甥っ子が贔屓される日々にもストレスに拍車がかかりますが、彼がどうしても逃げずに心臓外科医を目指すのは師事したい教授が主人公の母を救い、そんな教授に憧れていたから。

 

そんなある日、研修医の指導と勧誘を受け持つ事になった主人公。

物語は3人の研修医との対立、和解などそれぞれのキャラクターを引き立ち、主人公の続けてきた努力を見る事ができます。

 

そんな日々の中でちらつく『教授の論文偽装の告発文』。

ラストでは告発文を出したのは甥っ子、偽装を行っていたのは別の教授。

結局、主人公は沖縄の病院に島流しになる事が決まっていたが、そこには教授の愛情深い考えがあっての事。

 

病院を去る事になった主人公ですが、研修医から感謝とエールを送られるラストシーンは個人的に一番好きでる。

卒業式で『先生に送る感謝の言葉』な感じで良かったです。