夫も食べてもらえると喜ぶと思うんで――死んだ人間を食べる新たな葬式を描く表題作のほか、村田沙耶香自身がセレクトした、脳そのものを揺さぶる12篇。文学史上、最も危険な短編集!

 

 

 

●感想レビュー

従来の葬式は少なくなり、死んだ人を料理にして振舞い、新しい命を向かい入れるために性行為を勧める。

しかも、30年前は考えられなかった習慣が生まれた世界。

 

数年前は奇行でしかない生命式・・・今の自分の常識は正しいのか?

そんな主人公が悩み、苦しむ表題作の他に常識では考えられない短編集が楽しめます。

 

人は死んだら髪や皮膚は生地に、骨はインテリアとして活用される世界。

生臭い野菜が苦手、田舎の新鮮な野菜しか食べられない女性が見つけたのは都会の野草を食べる『街を食べる』など普通では考えられないような世界観が味わえます。