あのとき、わたしが黙っていなければ――。

見て見ぬふりの負の連鎖が、おぞましい悪夢を呼び寄せる。
デビュー作『スイート・マイホーム』が映画化決定!
ホラーサスペンス界の鬼才が放つ、戦慄のサイコ・スリラー!


建築会社に勤める勝人は、コーヒーショップ店員の華と運命の出会いを果たす。一目で心を奪われた勝人は、彼女との距離を少しずつ縮めていく。ところが、それから勝人は奇妙な子どもの姿を目撃するようになる。

 

自分以外の誰にも見えない幻影に苦しめられながらも、華の優しさに救われる勝人。

一方、華の弟である星也は、突然様子が変わった姉が気に入らない。

 

華の彼氏は、本当に信用できるやつなのか?

 血のつながらない姉にほのかな恋心を寄せる星也は、親友の葉月とともに、勝人のことを調べ出すが……

 

 

 

 

●感想レビュー

冒頭で殺人事件に巻き込まれ、犠牲になってしまう女性視点から始まり、様々な人物の視点で物語は進んでいきます。

冒頭の女性が大事に持っていたストラップ、コーヒーショップで働く女性(主人公の姉)の目線、行動などが最後にはつながっていくのが面白い♪

 

コーヒーショップで運命の出会いをした男女と思われせて、家族との対面で少しずつ雲行きが怪しくなり、主人公の姉が行方不明となり、探偵のように姉を探していきます。

 

姉が恋人である男性の実家はかなり歪んでいます。

母親は会社が全てであり、それ以外を損得勘定で切り捨てます。

夫は意見する事ができず、『主人公の姉の恋人』である息子も父親似で気弱な一面がありますが、母親から愛のない日々に加えて虐待を受けて育ちます。

 

そんな環境ですから・・・まともな精神であるワケがなく、日々の鬱憤を晴らす意味で彼らは殺人事件を行っていました。

スピード感がありますが、主人公が幼馴染と乗り込み、犯人達と対峙するシーンは分かりづらいかも?

 

結果的に姉や主人公、幼馴染は生き残りますが、姉は『自分が気づいていれば・・・』という後悔に悩まさせる事になりました。