大学生の天崎悟は、家出した妹の帰りを待っている。ある日、家に見知らぬ老婆がやってきた。

何を聞いても判然としなかった。

 

その後、妹が見つかる。虫に食い殺され、血が黄色くなった異様な遺体となっていた。

宗教団体の施設で見つかった遺体と同じだ。この虫はなんなのだ? 

 

 

 

 

 

 

●感想レビュー

家にやってきた老婆はウィルスに感染し、病的に年老いた妹だった。

主人公は妹だと気づかず、妹の方は家族に拒絶させ、ウィルス感染により体内に巣くった蟲に意識を少しずつ操られ、高い場所を目指され、山の中で意識を失う。

 

しかし、安らかな死ではなく、意識を保ったままで蟲に肉体を喰われていく・・・

獲物が死亡してしまうと腐敗が始まるので蟲はワザと脳以外の部分を蝕む・・・しかも大量の蟲が・・・

 

これだけでもショッキングな内容ですが、主人公、恋人である幼馴染も感染し、恋人も妹と同じ末路を辿ります。

幼馴染から恋人関係になり、お互いの両親も認めてくれ、学校を卒業したら結婚する・・・そんな甘い夢を蟲は食らいつく。

 

感染したのは主人公だけでなく、売春を裏家業にしていた宗教団体が発端となり、日本に広がっていく。

外科手術も投薬もウィルスや蟲には意味をなさないが・・・近親●姦をすると無毒化される。

 

生きるためにタブーを犯すか・・・人間としての尊厳を持ったまま蟲に生きたまま喰われてしまうか?

主人公は救われず,蟲が宇宙に向けてメッセージを送っている事に気づく・・・(食べ物はここにある)

 

『地棲魚』といい、摩訶不思議な話に鬱展開やモヤモヤが残るので面白い‼