坂の上の古ぼけた一軒家。
その不思議な塾は、私のたったひとつの希望だった。
14歳の私がしんどい時代を生き抜いた――
青春という名の「帝国」で戦う同志に贈る、YAストーリー。
●感想レビュー
読みやすくて一気に読めました!
中学教師をしている主人公の元に恩師の訃報の電話が職員室に届く。
主人公はショックを受けながらも電話をくれた元同級生の事・・・はもちろん恩師やアルバイトをしていた女性、通っていた弟、恩師が経営していた『実験を主体とする塾』・・・そして中学時代の自分を思い返す。
思春期であれば経験したであろう失敗、自意識過剰、不安、嫉妬、上手くいかない自分への苛立ち、イジメ。
そんな主人公の支えであった恩師の経営する『実験を主体をする塾』。
小さな世界だけど・・・主人公にとって大切な場所。
しかし、別れは突然やってきて・・・
主人公と電話をくれた同級生が恋人同士になるベターな展開、元アルバイトの女性との再会。
そうした事はなく、ある意味で現実的なラストですが、心が清々しくなる。
学生時代や思春期ってこんな感じでラノベみたいな楽な世界じゃないなぁ~
そんな風に振り替える事ができました。