毎年、生徒の誰かがサプライズを起こすことが慣例となっている八津丘高校の文化祭。
2年前、ゲリラライブで人が殺到し教師がケガを負ってしまった。その様子はSNSにアップされて炎上、ニュースにも取り上げられ大問題に。
しかし、今年の文化祭初日。まるで宣戦布告をするかのように2年前の文化祭ポスターが学内掲示板に貼られている。
文化祭実行委員の市ヶ谷のぞみたちは生徒達に話を聞きにまわるが……。
●感想レビュー
誰が文化祭のサプライズを実行するのか?
2年前のSNS炎上をきっかけに『生徒が文化祭でサプライズを起こし教師を翻弄させる』という伝統が廃れかけ始めた年が舞台。
実際に学校や教師は2年前の炎上を警戒し、軽音楽部や科学部、家庭科部に警告を出し、静かで面白みのない文化祭となる。
そんな文化祭を打破する宣戦布告のように『自分らしくあれ!』というポスター(2年前の文化祭のモノ)が掲示板に貼られる。
結果としてポスターを貼ったのは文化祭実行委員の担当教師。
教師という大人の立場である彼だが、当たり障りのない文化祭に失望し、生徒への起爆剤としてポスターを貼った・・・
ポスターを貼った人物とサプライズを実行する人物がそれぞれ独自に行動していた。
ミステリー要素として面白かったです。
小説では、文化祭実行委員の女子、軽音楽部、科学部、家庭科部のそれぞれの人物が語り、文化祭が進んでいきます。
それぞれ思春期らしい悩みを抱える中、主人公な文化祭実行委員の女子は完璧に近く、悩みが無さそう。
容姿端麗で要領が良く、教師からの信頼も厚く、スクールカーストの上位。
自然と自分に自信をもって行動し、読んでいると彼女がサプライズを実行する人物かと思ったら・・・違いました。
サプライズを実行する人物・・・というか企画したのは文化祭実行委員に存在。
軽音楽部らの部長らと密通し、文化祭最後の後夜祭にてゲリラライブ・・・この時に各部員の悩みなどが解決しないけど解れる感じなのが良かったです。
また、主人公な女子は好きな後輩がいましたが、結果は上手くいかず・・・
面白かったですが、校舎の見取り図などを文章で説明させると難しく、トリック解説が難しかった(笑)