新婚まもない華子は、古びた借家で夫の亮介を電動工具で殺害した!華子は弁護士に「あの家には鬼がいたの」と語り、事件の背景には壮絶なDVがあったことを示唆する。

 

それを知った華子の父は、夫こそ加害者で、娘は被害者だと訴え、罪の軽減に奔走する。

だが、やがて父親は「鬼」の真の正体を知り愕然となる!家族から殺人者を出した一家の崩壊する心理を描く、戦慄の新感覚ミステリー。

 

 

 

 

 

 

 

●感想レビュー

DV被害を受けた女性が夫を電動工具で殺害するシーンからスタート。

優しかった夫の豹変する理由が分からず、住んでいた家で自分と同じようにDV被害を受けた女性が自殺していた。

 

家には自殺した女性の怨念がこもったメッセージが少しずつ見えてきて・・・少しずつ正気を失っていく。

これは心霊的現象なのか・・・夫がおかしくなったのも鬼が憑りついたから・・・

そして鬼は自分にも憑りつき、夫を殺そうとする・・・

 

 

 

 

 

ただ、実際にはホラー小説ではなく、夫のDVは両親からの劣悪な環境が原因。

さらに娘想いの優しい父親も幼児虐待を行っていた。

 

不幸な偶然が重なり、追い詰められた女性が殺人事件を起こしてしまう。

ただ、初公判が始まる前に小説が終わり、女性の判決はもちろん、家族のその後は描かれない。

 

どうなってしまったのか?

心神喪失だと判決が出ても・・・過去の幸せな時間は戻ってこないと思うとエグいなぁ~