昔、広告代理店に勤めていた男友達が、
毎月、流行のレストランで美味しいものを食べよう、という会を開いていた。
最初は10人くらいだったが、回を重ねる毎に参加人数は増え、
半年後には50人くらいが集まる会に。
ある意味、大合コンだった。
そして、その会で何度か会ったことのある女性が、
同じくその会の常連だった男性と、付き合うことになった。
彼女は彼に夢中だった。
外資の証券会社に勤めていた彼女は、仕事も忙しい。
なのに、彼にご飯を作るために、仕事を切り上げて家に帰る。
彼の誕生日には、彼が欲しがっていたというプラダの靴をプレゼント。
ところが、彼の方はというと、彼女の誕生日がいつかすら聞いてこない。
遂には、仕事が忙しいという理由で、一ヶ月も連絡が途絶えたという。
彼女は本当に本命なのか?と疑うべきこのタイミングに、
彼女は、忙しい彼の体を労って、栄養ドリンクを会社に送っていた。
結局、それから間もなくして二人は別れたけれど。
一方で、男と付き合うときには、その男がどれだけ自分に尽くしてくれるのか、
お試し期間を置くという女がいた。
どんな美味しいものを食べさせてくれる男なのか、
自分のわがままをどれだけ聞いてくれる男なのか・・・
それで、自分の望みを叶えてくれない男は、いらないんだそうだ。
与えたい女と、与えられたい女。
さて、自分はどちらのタイプに近いだろう。
一瞬そう考えたが、すぐに、どちらのタイプにもなっちゃいけないと思った。
恋人同士に限らず人間関係は、
自分が何かを与えたいとか、与えられたいと思って、作るものじゃない。
それはあまりに、独りよがりだ。
いい関係を作るために大事なことは、
相手を尊重すること、そして自分自身を尊重すること。
その結果として、お互いが何かを与え合うような、いい関係ができるんだと思うわ。
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