今年もショコラの季節がやってきましたね。
私は1月から各百貨店のショコライベントをチェックしてきましたが、京都に小山進さんが来られるセミナーなどのイベントは見当たらなかったので、ボンボンショコラは神戸三田にある「バティシエ エスコヤマ」本店のサイトで購入することにしました。
ショコラはクール便の送料が嵩みますが、エスコヤマでは昨年末より、1配送あたり6500円以上の購入で送料が無料になる取り組みが開始されています。
2013年に初めてエスコヤマを知ってから、毎年楽しみにしている「チョコロジー」シリーズも、今年で10回目になりました。近年はマニアックなくらい繊細な味の広がりに拘った作品が多かったですが、今年は非常に分かりやすく、かつ印象的なショコラに出会うことができました。
テーマは「魂のバトン~つなぐ想い~」です。
No.1は、なら橘プロジェクト推進協議会会長・城健治氏による、こだわりの「大和橘」の皮を真っ黒に焼くことで現れる魅惑の香りを引き出した「焼き大和橘」
No.2は、お茶専門家・北城彰氏に紹介された樹齢数百年の歴史を刻んだ茶の花の味わいを活かした「古樹茶花」
No.3は、焙煎士・岡内賢治氏の提案で、コーヒーから感じた完熟ブルーベリーのニュアンスをストレートに表現した「ウレインチニーチャコーヒー」
これはコーヒーが苦手な私でも、美味しさを感じられるショコラでした。
N0.4は、私も大好きなイタリアン「チェンチ」の料理人・坂本健氏のリゾットから、想像力をかき立てる香茸麹の魅力に気付いて生まれた「香茸麹」
「各界のスペシャリストから受け取った魂のバトンを、とびきり美味しい作品にして、お客様に繋いでいくのが自分の使命」と言い切る小山進氏のクリエイティビティは健在で、ショコラをひとつずつ頂くたびに、深い感動がこみ上げてきました。やはり稀有の才能の持ち主だと思います。
先月、エスコヤマが労働基準監督署から長時間労働に関して是正勧告を受けたという報道が出ましたが、これだけの完成度をもつ作品を生み出すのに、以前の現場では人手と時間が足りなかったのかなという印象を受けました。
現在は是正されているとのことで、その証拠にエスコヤマの営業時間は毎日1~2時間短縮され、長期休業期間が増えました。客としては不自由な面もあるかもしれませんが、受け入れたいと思います。
たぐい稀な美味しさでたくさんの人を幸せにできるエスコヤマのお菓子とその世界観が、この先もずっと受け継がれていくことを、心から願っています。