ゴールデンウイーク後半、みなさまいかがお過ごしでしょうか。私は土日祝は稼働日ですが、例年ゴールデンウイークやお盆はご予約が少ないので、割とのんびり過ごしていますうさぎのぬいぐるみ

 

この連休は近年のテーマであるトラウマについて本やセミナーで学んでいます。アダルトチルドレンのカウンセリングには、トラウマケアが欠かせないからです。

 

アダルトチルドレンの方は、自覚の有無にかかわらず、成育歴のなかで親との関係で何らかの傷つきがあり、トラウマを抱えています。

 

かつてトラウマケアというと、未消化であるつらい過去をできるだけ詳細に語って消化していくという方法が王道でした。もちろん今でもあります。私も長らくそういう方針でした。でも、それって怖そうだしなかなか勇気が出ませんよね。

 

それが、数年前に「複雑性PTSD」という診断名が登場し、「発達性トラウマ」との関連が言われ、「これってアダルトチルドレンそのものじゃない!」と衝撃を受けたのでした。(*アダルトチルドレンは診断名ではありません)

 

それまでPTSDやトラウマというのは、命に関わるような事件や事故などが原因のものとされていて、日常的に尊厳を傷つけられるようなダメージについては触れられていませんでした。

 

でも、日々じわじわと受ける影響だって、ちり積でバカにできないですよね。だから、私は複雑性PTSDが採用されるという話を知ったとき、アダルトチルドレンの生きづらさがようやく公に認められたかんじがして嬉しかったのを覚えています。

 

それからトラウマケアをテーマにあれこれ学んでいるのですが、学ぶにつれ、それまでの言葉中心のカウンセリングだけでなく、感情や身体をつかったカウンセリングがいかに有効かということを知るようになり、できそうなところから少しずつ取り入れるようになりました。

 

そうした学びのなかで、共通して改めて痛感するのは、どんなカウンセリングにも必要ではあるのですが、特にトラウマケアにおいては、「安心安全」が第一だということです。

 

ときどき、カウンセリングにいらした方が「私はアダルトチルドレンなので、すぐにワークをしたい」とおっしゃることがあるのですが、そういうときは「早く取りくみたいお気持ちはとてもよくわかるのですが、まず今の状態が安定していることを確認してから始めることにしています」とお伝えしています。

 

不安定な状態で今まで封印していたような記憶に向きあうようなヘビーなことをすると、今よりもっと不安定になってしまうから+成育歴はラスボスのようなものなのでいきなりは危険、しっかり準備してから(親と適切な距離がとれるようになってから)、という説明をするとだいたいわかっていただけます。

 

一方、生きづらさをかかえてカウンセリングを受ける決心をされるような方は、だいたい今何かしら困っていることがあるわけです。多くの場合は人間関係にまつわることですが、まずは現在の環境調整、安心安全の確保にとりくんでいきます。

 

そうすると、実はそれだけで生きづらさがかなり改善されて、成育歴についてがっちり向きあわなくても卒業されていくケースが少なくないんです。

 

それだけ今の「安心安全」って大事だということです。ちなみに、安心とは心理的なもの、安全とは客観的なもので、どちらも大事です。

 

今や誰でも何かしらのトラウマをかかえていると言ってもいいと思います。だから、安心安全の確保は誰にとってもとっても重要。トラウマケアというよりセルフケアですよね。

 

今はそうした情報がたくさん出ているので、興味のある方はぜひお試しください。ちなみに、今私のお勧めは

 コミュニティー・レジリエンス・モデル~自律神経の仕組みに基づいたセルフケアと対人支援手法

 『フラッシュバック 対処と予防』服部信子著 Kindle

 『「安心のタネ」の育て方』浅井咲子著 大和出版

 

どうぞ素敵な連休になりますようにクローバー