戦争や異常気象など、世の中が不安定かつ日本の先行きもなんだか暗そう・・、そんな将来に不安を感じて安定を求める気持ちが強くなるのはよくわかります。

 

気持ちはわかるのですが、このごろ気になるのは、安定のために保証を求め、リスクを毛嫌いする人が増えているような印象があることです。

 

たとえば、結婚すればとか、大企業に入ればとか、正社員になればなど、これらを終身保険かのように思い描いているのではないかと心配になります。

 

結婚しても3組に1組は別れると言われていますし、離婚にいたらなくても不穏な夫婦はいくらでもいます。金銭問題、コミュニケーションのズレ、育児・家事、義親の問題など、結婚すれば一生安泰・・とはいかないのが現実です。

 

大企業に正社員で入っても、定年まで勤め続けられる保証はありません。会社経営がどうなるかもわからないし、リストラの対象になるかもしれません。伝統的な大企業は保守的(時代錯誤的)でハラスメント体質なこともあります。また、大企業に漫然と勤めていると専門性が身につかず、転職時に苦労するかもしれません。

 

今不安定で不安を感じている人にとって、保証や安定は自分を多少犠牲にしてでも手に入れたいものなのでしょう。

 

だから、結婚してくれそうな相手に気に入られようと顔色をうかがって嫌なことでもがまんしたり、職を失わないようにブラックな環境にも黙って従ったりしてしまうんですよね。

 

残念ながら、そこまでして相手に尽くしても報われることはほぼありません。なぜなら、相手にとってはそれがあたりまえで快適な状態だからです。何も発しなければ、今のまま搾取され続けるだけです。

 

つまり、○○さえ手に入れればあとは一生安心安全でラクチン、などということは現実的ではないということです。人生、いつ何が起きるか誰にも予測しきれません。

 

また、リスクを恐れて自分からは行動しないという人もいますが、不安定な世の中だからこそ、不測の事態に適応できるサバイバル力が必要です。これはトライ&エラーを体験しながら身につけるスキルです。サバイバルスキルがあれば、自分で人生を切りひらいていけそうだと思いませんか。

 

不安だから安定がほしくなって何かにすがるように保証を求めてしまうと、その何かに振り回されたり、しがみついたり、尽くしたりするようになり、自分を見失い、ストレスがたまって苦しくなります。

 

失敗を恐れて受身になって報われないがまんを続け、誰かの都合のいい存在に甘んじていることこそ、自分を傷つけるいちばんのリスクだと思います。でも、行動すれば何であれ事態は動きます。まずは自分で事態を動かしましょう。

 

不安が強いと考えが極端になりやすいので、一度で解決や結果を目指そうとしがちですが、だから失敗が怖い→動けない→不安なままの悪循環におちいるんですよね。どんなことでも少しずつ改善しながら進んでいけばいいんです。

 

不安の強い方、何かにつけて保証を求めがちな方、安定志向の方、たまにはリスクをとって自分のための行動を起こしてみませんか。尽くすなら、自分に尽くしましょう。失敗耐性をつけて人生をサバイバルしましょう。