以前にも何度か極端な考え方について触れていますが、生きづらさを抱えている人には本当に多くあてはまるので、今後もときどきお伝えしようと思います。

 

100-0でものを考えたり、白黒はっきりつけたがったりするのは、うつになりやすい考え方だと言われています。

 

なぜなら、100点でないなら99点でも0点と同じというのは、100点以外は認めない、しかも100点があたりまえとなるとプラスの感情が出にくく、100点に足らない分がネガティブな感情になっていくから、そしてものごとはたいてい思いどおりの100点にはならないからです。

 

言ってみれば、極端な考え方は、完璧でなければ失敗、恥ずかしいという完璧主義と同じですね。

 

完璧主義というと、きちんとしていていいことのような響きがあるかもしれませんが、メンタルヘルスの観点からは要注意な考え方なんです。

 

悩んでいる方や自信がないと落ちこんでいる方の多くが、100点の理想をかかげ、自分はその理想と違うからと自分にダメ出しをし、自分を罰しています。その理想像も高すぎることが多く、わざと無理なハードルを課して自分を落ちこませているようかのように思えることも珍しくありません。

 

もしかしたら、完ぺきでないと自分に価値を感じられないのかもしれませんが、残念ながら完ぺきな人にはなれないし、なる必要もありません。というより、完ぺき、つまり100点を目標にするかぎり、常に自分には何か足りないとダメ出しをし続け、自分で自己肯定感を下げていることになるんです。

 

また、100点を求めている人は、世間の平均以上のスペックをそろえなければ幸せではないと思いこんでいることが多い気がします。たとえば、仕事、収入、家、容姿、パートナー、結婚、出産、子どもの教育などなど。

 

でも、本当にそうでしょうか。

 

実際に、ものすごいスペックの方々もカウンセリングにいらしています。みなさんとても苦しんでおられました。はたから見れば羨ましがられるような人でも、実はこんなに悩んでいるという姿を目にしてきたので、私はスペックがそろう=幸せという考えには賛成しかねます。カードをすべてそろえても、結局自分の心が満たされなければ生きづらさは解消せず、幸せは感じにくいのです。

 

どうか100点満点をとれない自分を罰しないであげてください。一般的な試験の合格点だって、60~70点前後が多く、合格してしまえば合格点など気にしないことが多いでしょう。

 

他人に対しても100点を求めると相手を追いつめます。相手はあなたの期待に応えるために生きているわけではありません。同じように、あなたも相手の期待に100点満点で応えるために生きているわけではありません。

 

お互いそこそこでよしとする、それがお互いさま精神、100-0は窮屈な世界です。少しくらいゆるめても絶対に廃人にはならないから大丈夫!(真剣に心配する人が少なくないのです)

 

さらに、選択肢や将来の予想をするとき、両極端なAかBかだけを考えるのも、100-0的思考となり要注意です。両極だけで考えると、生きるか死ぬかのようになって緊張感を生みますが、たいていのことは両極のあいだで起きています。しかも、弱っているときほど私たちは余裕がなくなって、極端な考え方をしがちになるのが困ったところ。だから、普段から選択肢や予想をするときは最低でも3つ、できればもっと多くのパターンを考えるようにするのがお勧めです。

 

大事なのはグレーゾーン。なるべく極端を減らして、そこそこゆるゆるハッピーを目指しましょうラブラブ