癒しの木 乳香 | 春一番に

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春一番の風と共に、ふとブログを書こう!と思い立ちました。
維摩会 春秋館で学んだこと、仕事のこと、趣味の事、etc
気ままにまったりと綴っていきたいな。

 

前記事の続きになります

 

フランキンセンス、乳香の事です

 

イエス様がお生まれになった時に、三人の聖者が贈り物として捧げられたのは、

黄金、没薬、そして乳香でした

 

乳香は、カンラン科ボスウェリア属の熱帯常緑低木の樹皮から採取される固形の樹脂で、

幹に切れ込みを入れると、透明な樹脂がミルクのように乳白色に変色することから乳香と呼ばれています

 

教会で煙が出ている香炉を見たことがあるという人もいるかと思いますが、中では乳香、フランキンセンスが焚かれており、聖なる香りとして、今でも教会ではその歴史が受け継がれているそうです

 

日本でも匂い袋やお香で使われ、クレオパトラや王族の間で、若返りの香油として使われていたことも有名ですね

 

細胞レベルでのDNAの修復を促したり、細胞の保護、成長を促す作用があり、また、脳内酸素濃度の増加や、集中力、思考量を高める働きもあるそうです

 

フランキンセンスは、樹皮が傷付けられることで、流れ出た樹皮でかさぶたのようにして自らを守るのですが、

その樹脂がまた他の生物を癒す力となる、自然界というのはよくできている、互いに循環して支え合って存在しているのだなあと感心します

 

ところが最近、この乳香が高額で取引されるため、乱獲がされているということです

 

アフリカ北部や、インド、オマーン、イエメンなどに分布しているのですが、過剰採取のためにその数を減らしつつあるということです

 

乳香の木を健康に保つには、樹皮への切り込みを1年に12回までに抑える必要があるらしいのですが、

ある国では、1本の木に120カ所もの切り込みがあり、びっしりとかさぶたのように覆われていたというのです

 

私が乳香の木だったら、自分を傷める相手から身を守るために、

更には相手に報復するために、毒のエキスを出しかねないです

いやいや、日常で同じようなことを多分意識無意識でもやっているのではないかと、、、

 

黙々と人々を癒す樹脂を出し続け、無抵抗のまま、傷だらけになっている乳香の木を想像すると、流石に心が痛みます

 

寛容、忍耐、慈愛、、

 

そんな言葉が浮かび、維摩会で学んでいる十徳目の一節を思い出して、恥ずかしくなりました

 

 

(PHOTOGRAPH BY GEO IMAGE COLLECTION)