『ヤマトタケル』を観た。

懐かしくもあり、
新鮮な感覚もあり、な
スーパー歌舞伎。


市川猿翁さん(当時、三代目市川猿之助)が
1986年に初めて作り上げた
新作歌舞伎、それが
『ヤマトタケル』でした。

台詞は現代の言葉、
派手で華やかな衣装、
ダイナミックな音楽と照明、
素早く躍動感のある立ち回り。
歌舞伎の要素を入れつつ、
新時代の歌舞伎として、
『スーパー歌舞伎』という
ジャンルが作られましたが、
今や、これも古典と呼ばれるように
定着したものになりましたね。

タイトルロール、
ヤマトタケルを演じるのは
市川團子さん。
彼のヤマトタケルが観たくて
楽しみでした。


猿翁さんのビデオを
何度も何度も見返しただろうと
感じられる團子さんのヤマトタケル、
猿翁さんっぽさが見え隠れするのは
当然だし、否めないけれど、
團子さんの台詞回しは
若々しく自然に聞こえたし、
声もタッパも良い。
堂々と真ん中に立つ、
團子さんの姿に涙が出ました。
澤瀉屋はこれからも未来へ
繋がっていくんだなと。




それにしても、
舞台が華やかで楽しすぎる!
團子さん、壱太郎さんの
早替わりも見どころのひとつ。
そしてラストでヤマトタケルと
父である帝(みこと)と
手を取り合うシーンが、
なんとも温かくて…
帝役が実父である中車さんだから?
そう感じたのか分からないけど、
このわずかなシーンに
ジーンとした。

劇団☆新感線がスーパー歌舞伎を
参考にしたというだけあって、
逆だけど、新感線の舞台を
観ているかのような錯覚もするほどに
全体的に鳥肌が立つほど
ワクワクしながら感動した、
本当に素晴らしい舞台でした。


(2024.6.14 大阪松竹座)