こんばんは
カウンセラーの平です。
日曜日の恋愛心理学を 原裕輝 と隔週で担当しています。
“オープンさ”というと、開放的というイメージをもつ人は多いことでしょう。
そして、心理学において“オープンさ”というときは、「隠しごとがなく、わかりやすい人」のことと考えていただくとよいかと思います。
このわかりやすいというイメージは、わかりにくいというネガティブなイメージと対をなします。
心理学で“警戒仮説”というのですが、人はわかりにくいものがあると、なにか裏があるのではないかと警戒し、悪いイメージをもったりするものです。
たとえば、「この商品は最新式で、機能も素晴らしく、にもかかわらず、お値段は3割引でご提供しています」などとアピールされると、「いいことばかり言って、じつはなにか問題でもあるのでは?」と邪推したくなったりしますよね。
このように、いいところばかりをアピールすることを心理学では“片面提示”といい、いいところと悪いところをともにオープンにすることを“両面提示”といいます。
先ほどの例で、「最高の商品なのですが、じつはこの紫色のボディにはまったく人気がなく、それが安売りできる理由なのです」とネガティブなことまでオープンにしたとしましょう。
すると、人は「なーんだ、なるほど」と納得し、それ以上の邪推をすることはなくなるわけです。
これは人間関係でも同じです。自分のいいところも悪いところもすべてオープンにすることができると、まわりの人からの好感度も上がるといわれています。
しかしながら、ほとんどの人はこの逆をしていると思いませんか?
とくに大好きな人の前では、「自分の悪いところは隠さなきゃ」と思ってしまいがちです。
しかし、隠そうとすることにエネルギーを使ってしまうと、態度が不自然になってしまうことも。
すると、「なんか、よくわからない娘だなぁ」とネガティブな印象を与えてしまったりして、これではいったいなんのためになにをしているのだかわかりませんね。
男女関係とは、ほかのだれにも見せない、知られたくない部分をパートナーと共有する関係をいいます。
心の中にあることも肉体も、ぜんぶ見せて、ぜんぶ知ってもらって、ぜんぶ受け入れてもらい、そして、ぜんぶ愛してもらうのです。
これは、子ども時代、あなたがお父さんとお母さんにしてもらっていたことと同じであり、すべてを知られ、すべてを受け入れてもらうということは、心の安定につながるといわれます。
もしも、パートナーに対してオープンになれず、隠しごとをしているとしたら、あなたは「こんなことを知られたら、パートナーに嫌われてしまうだろう」、「拒絶されるだろう」と思っているのでしょう。
つまり、パートナーは「私を傷つける人」と捉えているわけです。しかし、そのようなネガティブな目で見ているとしたら、あなたはパートナーに十二分の愛を与えているでしょうか?
だれにも話したことのないこと、たった一人で苦しんでいたことや葛藤していたことをパートナーに伝えることは恥ずかしいことかもしれません。
でも、それはあなただけでなく、パートナーもまたあなたと同じような闇を抱えていることも少なくないのです。それは、女性よりも恥ずかしがり屋や秘密主義者の多い男性によくあるようです。
そんな彼に対し、もしもあなたが自分をオープンにして、いろいろなことを分かち合うことができたら、パートナーもまた自分のことをあなたに話しやすくなると思いませんか?
心理学に“自己開示の返報性”という言葉があります。あなたがリーダーシップをとって、自分を開示していけばいくほど、パートナーもオープンになり、自分のことをあなたに知ってもらいたくなるようなのです。
「パートナーに隠しごとはしたくない」
「パートナーにも嘘や隠しごとはしてもらいたくない」
そう思うのならば、オープンさはとても大事な考え方になります。
身も心もすべてを知ってもらい、すべてを受け入れ、愛してもらう。それが二人の絆となり、パートナーシップがより愛しいものになっていくのです。
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